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2015-06-26

「紙」は生きもの。

梅雨時期の印刷用紙は特にその生きものぶりを発揮し、私を悩ませています。
どのへんが生きものなのか、少し「紙」についての説明をします。

一般的に紙は温度より湿度の影響を大きく受けます。
なぜなら、紙は植物繊維を主原料として作られているため、
水分、すなわち「湿度」や「機械的応力」などに非常に敏感です。

さらに重要なことは、水分の増減により食物繊維が伸縮することです。
繊維は吸湿や脱湿によってそれぞれ膨張または収縮し、
その程度は短繊維の横方向(直径方向)において著しく、縦方向(長さ方向)では小さいのです。

では、その湿度の変化に応じて紙にはどのような挙動がみられるのでしょうか?
中でも代表的なトラブルである紙クセ不良として、
「波打ち」「おちょこ」および「カール」があります。
特にトラブルの主体を占める「波打ち」と「おちょこ」に関しては、
印刷時に「見当狂い」や「シワ」などの原因となります。
このため紙の保管や使用する環境の湿度管理が重要になってきます。

波打ち おちょこ

湿度は地域により異なりますが、日本には四季があるので冬の乾燥期には20%~40%、
梅雨期には70%~90%になることもあり、年間での湿度差が非常に大きいのです。
また、湿度が低ければ静電気が発生し、逆に高ければインキの乾燥時間に大きな差が生じ、
印刷における作業性や印刷品質に多大な影響を与えます。

湿度計 紙の管理でトラブル軽減

KSI印刷工場では、各印刷機械に温室時計を設置することにより、
印刷室内の湿度を年間50%~65%の維持に努め、さらに翌日使用する紙を前日には印刷室内に入れ、
使用時と同じ環境にしておくことで、上記のトラブルを出来る限り軽減するよう日々取り組んでいます。

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