デジタルまいど No.1~N0.48
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(4) 発行日:2002年(平成14年)11月15日(金曜日) ■「digitalまいど」に関するご意見・ご感想は、株式会社ケーエスアイ「digitalまいど」編集室係(ホットラインMAIL:ksiinfo@ksinet.co.jp)まで。 取り上げて欲しい内容や、ちょっと疑問に思ってることなど お気軽にご連絡下さい。 編集後記 digitalまいど第29号 今年も恒例の「今年の漢字」が選ばれる季節になってきました。ご存じのように、その年の世相を象徴する漢字一文字を募集して決めるもので、今年は12月12日に決定されるそうです。昨年、米国同時多発テロ事件による対テロ戦争や炭そ菌問題、不況との戦いなどいろいろな戦いを反映して『戦』が選ばれたのが、もうずいぶん過去のような気もします。ちなみに阪神淡路大震災のあった1995年は「震」、1998年は「毒」でした。 さて今年といえば、まず出来事では牛肉のラベル偽装に代表される企業ぐるみの偽装工作を思い起こします。他にも国会議員の疑惑や外務省の疑惑、そして拉致問題。漢字一字というと残念ながら「偽」や「疑」など、どうもマイナスイメージの漢字になっていけませんね。そうそうプラスイメージといえばサッカーワールドカップ日韓共催がありました。それに日本人スポーツマンの海外進出。ということでは海外に躍進する「躍」なんて漢字もいいですね。 とまあ、私の勝手を書かせていただきましたが、皆さんの「今年の漢字」は? そして来年こそは誰の目から見ても間違いなくプラスイメージといえる漢字になってもらいたいものです。 <H.I> 冬の味覚といえば『かに』。今回は11月6日に解禁(ズワイガニ)となった『かに』についてのあれこれをご紹介します。ちなみにズワイガニの漁期は3月20日(メスは1月10日)までです。 ■ズワイガニ まずは、名前の由来から ズワイガニという名前は「すわえ(楚)」が語源といわれています。「すわえ(楚)」とは細長くのびた若い木の枝のことで、細長いカニの脚を表現したものだと考えられています。 「松葉がに」とは成長したズワイガニの雄で山陰地方での名称です。なぜ松葉がにと名付けられたのかは諸説があります。 ①細長い脚の形や脚の肉が松葉のように見えるという説 ②かにの足の殻をはいで、水につけると松葉のように広がるから ③松葉が落ちるころに獲れるカニだから ④漁師が浜で大鍋を据え松葉を集めて燃やしたから… などいづれも定かではありません。 「松葉がに」という呼び名が雌雄を含めた総称として使われることもありますが、正確には成長しきった雄を『松葉がに』、雌を『親がに』または『子持がに』、脱皮して間もない雄を『水がに』と呼んでいます。 一般的には”松葉がに””越前がに”(正式学名:ズワイガニ)と言われています。日本海の漁場は、能登半島から隠岐ノ島までで、山陰地方では【松葉がに】北陸では【越前がに】と呼ばれ、また丹後地方ではこの松葉がにの事を【地がに】【間人(たいざ)がに】という独特の呼び方をしています。なぜその様な特別な呼び名になったのかは、他のかにに比べおいしくて、松葉の様に足も細長く、風格も良い事から愛着を込めて呼ばれています。味は冬の味覚の王様と言ったところでしょうか。 日本近海に生息するカニは千種は超えると言われています。 でも、市場に出回る種類は意外に少ないものです。 ■毛がに 身が多く、みそも美味しく、殻が柔らかいので食べやすい。元来カニを食べ始めると無口になりやすいですが、この毛がにを食べる時は、さらに夢中になるといわれています。 北海道の毛がにが特産品として有名になったのは、戦後のこと。戦争の影響で扱う商品がなくなってしまった長万部駅の立ち売り業者が、それまで顧みられることのなかった毛がにを茹でて売るようになったのがきっかけとなったそうです。それまでは、カレイの漁に使う網を傷める邪魔者として扱われていました。 現在では、北海道での毛がに漁は、漁期、漁獲量が厳しく制限され、資源保護に努められています。 ■セコカニ セコカニとは、ズワイカニの雌のことです。北陸ではコウバコカニ、セイコカニ、コッペカニなどと呼ばれています。通常、雄は比較的深場に、雌は浅場に棲みわけていますが、1~3月の交尾期には雄が浅場に移動します。 雄は毎年脱皮をくり返して甲羅15㎝程に育ちます。これに対し雌は孵化して4~5年で産卵、抱卵します。一年間抱卵して幼生を放すとすぐにまた産卵、抱卵をくり返します。そのため雌は産卵、抱卵を始めると脱皮できなくなり、成長が止まってしまいます。雌が甲羅7~8㎝と小さいのはそのためです。セコカニには、雄のカニとはまた違った独特の味があり珍重されています。それは、「外子」「内子」とよばれる部分で、「外子」とは腹に抱いている卵のことで卵のツブツブ、プチプチとした食感が、「内子」は甲羅の中にある、オレンジ色の固まりで、これはカニの卵巣です。プリッとした食感と、かんだ時に口にひろがる、独特の味と香りがなんとも言えません。 ■たらばがに 「カニ」と呼ばれていますが、分類学上はカニではなく「ヤドカリ」の仲間になります。ハサミと足を合わせて4対しかないのが、カニとの違いです。北海道のタラの漁場と同じ海域で獲れることから、たらばがにと呼ばれるようになりました。 体の身は少なく、足を食べるのが主流です。しかし足を広げた長さが1mを超えるものもあり、大きなものを求めると、刺身や焼きガニ、鍋物といくつもの楽しみ方ができます。 ■花咲がに たらばがに同様、花咲がにも「カニ」ではなく「ヤドカリ」の仲間です。茹でると殻が鮮やかな赤に変わるので、その変身の鮮やかさから「花咲」という名がついたと思っている人もいらっしゃるでしょうが、主な漁場である根室半島の旧名である花咲半島という、地名からついた名前なのです。殻が固く、食べるのに苦労しますが、味はたらばがににも負けないくらい濃厚です。 このカニの旬は、夏。カニは冬だけのものと思っていた人にとっては、嬉しいことではないでしょうか。 ■がざみ 「わたりがに」と言った方が分かり易いでしょう。一番後ろの足がひらべったく、これを使って泳ぐ姿から「渡りガニ」と呼ばれるようになっています。 足の身が少なく、胸の身とみそ、卵巣を食べて楽しむカニです。ほかのカニ類と比べて鮮度が落ちにくいので、活けものを市場で扱うことも多いようです。 「キチン・キトサン」ってなに? 近年、かに殻に大量に含まれている「キチン・キトサン」が医薬品や健康食品に使われ注目を浴びています。 キトサンはキチンを化学処理して得られます。キチンやキトサンには、コレステロール値の改善、血圧降下、脂肪の吸収阻害、炎症抑制、抗菌等の性質があります。 冬の味覚 カニ

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