デジタルまいど No.1~N0.48
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(2) digitalまいど第23号 動画圧縮と映像コンテンツ MPEG-4…映像界のMP3 MPEG-4と一言でいっても多種多様であり、その種類と特徴の一部を以下に記述しますので参考にしてください。 ①WMV,ASF形式 MPEG-4を一般的に指すのがマイクロソフトが圧縮エンジンを提供しているWMV(Windows Media Video)だ。以前はインターネットストーリーミング用に開発が進んできたASF(Active Streaming Format)がMPEG-4形式だったが、プレーヤーが進化するに伴ってWMVが主流になってきている。WMV(ASF)にも3つのバージョンが存在し、それぞれV1、V2、V3となっている。ただ、問題となったのがエンコードエンジンに制限がかかっていて、マイクロソフトにロイヤリティーを払っているメーカーの有料ソフトを使わないと利用できない点であった。故に次のフォーマットが登場した。 ②AVI形式のDivX;- マイクロソフトのMPEG-4V3と同等の性能を持つコーデックで、FastとLowの2タイプあり、Lowのほうが高画質。 ③OpenDivX 名前の通りオープンにソースコードが公開されていて、様々な技術の投入により高い水準のMPEG-4圧縮を実現している。また、このOpenDivXの特徴はマルチプラットフォーム対応になっていることだ。Windows・Macintosh・Windows CE・Linuxまで対応している。 ④その他のMPEG-4 QuickTimeもMPEG-4のエンジンを搭載3ivXと呼ばれる形式で、QuickTimeProでエンコードが可能。 など、あくまでも技術的な説明に留まっていますが、実際にはこれらのソフトウェアを使いソースとなる画像、ハードを駆使してのコーデックなど、まだまだ専門的な知識が必要な分野のようにも思えますが“見る側”としては、これから楽しみな分野だと思います。 昨今のコンテンツ制作はCD-ROMコンテンツ、Webコンテンツにかかわらず、映像を取り込んだものが増えています。当然のことながら、静止画よりも動画の方がわかり易いコンテンツの制作が可能になります。以前は、パソコンのハードスペックもしくは通信環境(Webコンテンツの場合)の制約から、動画を避けることがよくありました。ところが、ここ数年のパソコンスペックの進歩はめざましいものがあり、また通信環境も向上し、映像コンテンツをパソコン上で見る環境が整ってきました。 当社では、8年前からマルチメディアコンテンツの制作を手がけてきました。当時はパソコン上の動画再生は基本的にCD-ROMからで、パソコンやCD-ROMドライブのマシーンスペックに合わせて動画の調整をする必要がありました。例えば、CD-ROM出版の場合、過去3~4年程度のマシーンスペックを前提に画像サイズ・転送レート・音声の品質を調整したものです。 4~5年程前まではQuickTimeを使ったシネパック圧縮が主流でしたがここ数年で、MPEGの規格が主流となり、ビデオCDやDVDの登場とともに、MPEG1・MPEG2が動画圧縮技術として広く使われるようになりました。そして、今日にいたっては、ネットワークに対応した圧縮技術として、MPEG4が登場し、様々な形式がありますが、高圧縮にもかかわらず高品質の動画像を再現できるので、今後主流の圧縮技術として採用されそうです。 ハード・ソフトの急速な進化により、様々な制作手法が可能ですが、当社では、これまでの制作実績と新しい制作技術の研究により、お客様の操作環境に最適化したコンテンツの制作が可能です。〈H.M〉 コーデックのお話 コーデックとは、パソコンで映像や音楽を扱うのに欠かせない技術でCompression/Decompression(圧縮/解凍)の略称です。データを圧縮して小さくし、再生時に解凍しながら動画データとして表示します。圧縮することにより本来のデータサイズより遥かに小さいサイズにすることも可能です。ただ注意しなければいけないことは、普通のドキュメントを圧縮・解凍すれば圧縮前と同じデータを取出すことができますが、画像に関しては解凍されても圧縮前と全く同じデータには戻りません。これは、圧縮時に重複した情報や見た目にはわからない情報を破棄することで容量を減らす手法が用いられているからです。〈T.K〉 株式会社 ケーエスアイ 営業第一部 ソリューション室 森川 博正 TEL:06-6652-8081E-mail:morikawa-h@ksinet.co.jp■コーデック(圧縮)の動き 下図の動画の場合、動いているのは飛行機のみで、建物など周囲の状況はそれほど変化していない。そこで、建物や周囲のデータを間引くことでデータの圧縮が可能になる。 飛行機部分はデータが変化しているため再利用を行わない。 動きに変化がない場合、同じデータを流用することで済ませる。 株式会社ケーエスアイ マルチメディア部門制作 大阪市立美術館案内CD「美遊館」 株式会社ケーエスアイ マルチメディア部門制作 PhotoCD&Book 津田洋甫写真集「水」「花」

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