デジタルまいど No.1~N0.48
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ストリーミング (1) 発行/〒557-0063 大阪市西成区南津守7-15-16 TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894digitalまいど 編集室 ホットラインMAIL:ksiinfo@ksinet.co.jp「digitalまいど」のバックナンバーはホームページでPDFファイルにてご覧になれます。また、印刷物をご希望の方は編集室までご連絡下さい。 ホームページアドレスはこちらです! http://www.ksinet.co.jp/ digitalまいど第23号 発行日:2001年(平成13年)9月14日(金曜日) JQA-QM4518No.23September 2001 vol.5ちょっと気になるあの言葉 (2Pに続く) ストリーミング インターネット利用者の増加はインフラの整備を急激に促進させ、ADSL、CATVはもとより、光ケーブルによる通信ですら一般ユーザーの手の届く範囲となっています。今回は、パソコンの高性能化とブロードバンド化により、俄に注目を集めている「ストリーミング」について触れてみたいと思います。 ブロードバンドが可能にする ネットワーク配信 そもそもストリーミングとは、サーバに保存されているサウンドデータや動画データをネットワーク経由でダウンロードしながら順次再生することを可能にする技術を指します。ストリーミングを利用することで、ファイルサイズが大きい動画データでもダウンロード時間を無駄に待つことなく(今までは、全てのデータをダウンロードした後にしか表示・再生することができなかった。また、ストリーミングではリアルタイムで表示されるので、不要と思えばその場でキャンセルすることも可能)再生できるほか、撮影した動画をリアルタイムで配信することもできます。かつてはサウンドデータをストリーミング配信するリアルネットワークスのRealAudioが有名でしたが、その後、同社のRealVideoやアップルのQuickTime、マイクロソフトのWindows Mediaテクノロジー(旧NetShow)などの動画にも対応するストリーミング技術が発表されています。 ストリーミング技術は、ストリーミング対応のデータを作成(エンコード)するエンコーダ、配信を行なう配信サーバ、受信し再生を行なうプレーヤの3点で構成され、エンコードしたデータを一度ファイルに保存してから配信サーバで配信する方法を「オンデマンド配信」、エンコードと配信を並列して行ないリアルタイムの配信を行なう方法を「ライブ配信」と呼びます。 現在の圧縮技術 そこで、『動画』と『圧縮』について触れて行きましょう。動画とは『動く絵』であり、その一枚ずつがパラパラ漫画のように繋がって(捲れて)動きのある『絵』に見えます。では、この一枚の絵の持っている容量はどのくらいになるのでしょうか?一般的にBMP(ビットマップ)形式で換算すると、画素サイズを720×480ドットとした場合、1画素をRGB(色の3原色)で表現し、各8bitで階調表現したとすると1画素につき3byte(24bit)必要になります(1byte=8bit)。つまり720×480×3=1036800=1036.8KBで約1MB強になります。これをTV放送レベル(1秒間に約30コマ)で1時間番組(3,600秒)を保存しようとすると1036800×30×3600=111974400000≒109GBにもなります。 とても一般的に配信できるような数値ではありません。(現在最大記憶容量を誇るリムーバルメディアのDVD-RAMですら両面2層で17GB) ここで『圧縮』という技術が必要となってきます。1枚の画像に対してはJPEGやTIFF・GIF・PINGなどのように圧縮技術があるように画像に対しても様々な圧縮形式が存在します。以下にその一部を紹介します。 Cinepack Cinepack(シネパック)は、米国Radius社が開発した方式で、特別なハードウェアを必要とせずにソフトウェア(CPU)だけで圧縮および伸張できることが特徴で、データレートを設定できるので、CD-ROMなどのデータ転送速度の遅いメディアに合わせた圧縮が可能。(最近ではあまり使用されない) Sorenson Video SorensonVision社が開発したコーデック方式。AppleのQuickTime3.0から採用され、QuickTime4ではSorensonVideoも2.0へとアップデートされ、それまでコーデックとしてはCinepackが一般的に用いられていましたが、SorensonVideo方式の方が圧縮率が高く、かつ圧縮率を高めてもノイズが発生しにくく画質が良いためCinepackに代わり使われるようになりました。 MPEG デジタル動画を圧縮する技術、または、ISOの下部組織にあたる標準化団体の名称(MPEG:Moving Picture Coding Experts Group/Moving Picture Experts Group)。Zideo-CDなどに使われているMPEG-1は、H.261(電気通信サービス事業者が中心となって定めた動画圧縮技術)をベースに標準化された。画像内での物体の動く方向を予測し、そのベクトルだけを保存するなどして、データを圧縮している。MPEG-1は、CD-ROMなどの蓄積メディアでの保存/再生が考慮され、再生品質は家庭用VTR再生並みだという(実際は少し落ちるらしい)。また、放送メディアでの使用を考慮したMPEG-2(再生品質はHDTVなみ)などの規格もある(DVDに使用)。現在はMPEG-4が制定されている。なお、MPEGには動画像圧縮とともに、音声データの圧縮も含まれる。また、2001年9月にはMPEG-7の標準化が行われる予定である。この規格は、MPEG-4のオブジェクトに情報を付加してその付加情報を基に高速、かつ効率的に画像情報を検索できる点が特徴とされています。 1byte(8bit) RGB720480DVDの記憶容量 12cmメディア 8cmメディア 片面単層 4.7G 1.4G 片面2層 8.5G 2.7G 両面単層 9.4G 2.9G 両面2層 17.0G 5.3G

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