デジタルまいど No.1~N0.48
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(1)発行/〒557-0063 大阪市西成区南津守7-15-16 TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894digitalまいど編集室ホットラインMAIL:ksiinfo@ksinet.co.jp「digitalまいど」のバックナンバーはホームページでPDFファイルにてご覧になれます。また、印刷物をご希望の方は編集室までご連絡下さい。ホームページアドレスはこちらです! http://www.ksinet.co.jp/digitalまいど第21号発行日:2001年(平成13年)5月15日(火曜日)JQA-QM4518No.22March 2001 vol.3便利ソフトインターネットとモータリゼーションインターネット社会は実は1960年代以降に日本で巻き起こった「モータリゼーション(自動車社会化)」の構造によく似ていると言われます。60年代半ばから始まった高度経済成長はそれまで高嶺の花だった自動車を一般庶民のものとし、これに伴い日本中の道路が整備され、旧来の駅前商店街はロードサイドでの大型ショッピングセンターへと変貌を遂げ、様々な新ビジネスを生み出しました。これらすべての社会現象を総じてモータリゼーションと呼びます。 さて今日のインターネット社会と比較してみましょう。まず車自体の一般家庭への普及、インターネットではパソコンの加速度的な普及がこれに酷似しています。当時の国道・県道・高速道路等の道路網の整備・拡張というインフラの整備は、現在そして今後の通信ネットワークの整備そのものです。ロードサイドの大型ショッピングセンターやファミレス等の自動車を中心とした新サービスの勃興は今日のe-ビジネスと呼ばれる電子商取引などネットを使った新ビジネスの出現と言え、次に自動車の運転操作を簡単にしたオートマチック(AT)の出現が車社会へさらに拍車をかけましたが、インターネットでは誰でも簡単に扱えるブラウザやメールソフトの出現がこれにあたります。 以上のように、日本人のライフスタイルを大きく変えたモータリゼーションと今日のインターネットは多くの点で共通しており、同様に社会全体を変革させるパワーを秘めていると言えるのではないでしょうか。 このインターネットと今日の成熟した自動車社会が融合する時代はそこまで来ています。そのキーとなるのがカーナビゲーション、通称カーナビです。自動車自体の国内出荷額はご存じのようにここ数年頭打ちですが、カーナビ市場は毎年2ケタ成長を続けており年々需要が高まっています。 現在のカーナビはDVDが主流になっており、高性能の64bit BUS RISC CPUにより瞬時のルート検索やボイスコントロールなど快適な操作性を実現しています。GPS衛生の測位誤差をさらに高精度に修正するD-GPS機能や垂直方向の車の上下動も検出できるジャイロセンサーなどが自車位置をより正確に感知し位置情報の精度もあがっています。また画面もVICSからの情報を高精細で立体的な風景描写に表示、数種類のパターンから選べる使い易さもうれしいです。さらにDVDビデオを5.1chサラウンドで再生できたりもします。 また最近パイオニアから発売されたHDDナビは、地図情報収録メディアを従来のDVDからハードディスク(HDD)に変更してこれまでにない高レスポンスを実現しました。データのシークタイムを最高1/40に短縮し、例えばたった1秒で最適ルートを検索できます。また音楽CDを再生中にHDD内にMP3データとして保存する事も可能です。まだ発売されたばかりで少し高額なのが難点ですが、すごく魅力的なカーナビです。こんな便利に進化していくカーナビにさらにインターネットが融合するわけです。いわゆるカーナビに携帯電話を繋げてインターネットに接続して最新情報をダウンロードするわけですが、ナビの位置情報が効果的に使えますので、現在地付近のお店やイベント情報などをタイムリーに得たり、またメールやホームページの閲覧なんてこともカーナビ画面上でできます。現在市場に出ているカーナビには(付属ではありますが)この機能がついている機種もあり、各自動車会社では既にカーナビ向けの情報サービスを現在提供中です。トヨタ自動車のMONET(モネ)、日産自動車のコンパスリンク、本田技研工業のインターナビ、マツダのテレマティックス等々がそうです。 それぞれサービス内容は異なりますが、最新の新聞情報や自分に届いた電子メールやメルマガなどを運転中に音声で読み上げてくれる機能(モネ)。行き先をナビセンターにいる専用オペレーターに携帯電話で告げるとオペレーターが該当データをナビに送り自動的『次世代通信カーナビ』ちょっと気になるあの言葉高精度・高性能なカーナビの現状次世代通信カーナビ2,500万人を超えたといわれる日本のインターネット利用者数は、携帯電話の圧倒的な普及の後押しによりさらに増加しています。また、携帯電話の通信速度の高度化や、ADSL、CATVなどのインフラの整備はネットの使い勝手を向上させ、今後あらゆる産業へ波及していこうとしています。今回はこのインターネットが、私たちに最も身近な産業のひとつである車社会にどのような影響を与えるかを見ていきたいと思います。

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