デジタルまいど No.1~N0.48
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(4) 発行日:2000年(平成12年)11月10日(金曜日) digitalまいど第18号 取り上げて欲しい内容や、ちょっと疑問に思ってることなどお気軽にご連絡下さい。 ■「digitalまいど」に関するご意見・ご感想は、 株式会社ケーエスアイ「digitalまいど」編集室係 (ホットラインMAIL:ksiinfo@ksinet.co.jp)まで。 NNOOWWラ ラ ン ン キ キ グ グ ン ン 21世紀まで残すところあと2カ月足らず。この100年は激動の世紀と言われてきましたが、100年前の1901年というと日本では明治34年、国をあげて重厚長大に邁進していた時代です。その頃に、今のように家庭にはテレビをはじめ便利な電化製品がひしめき、街行く人のほとんどが携帯電話を持ち、またオフィスにはデジタルOA機器が並ぶような生活を誰が想像したでしょう。そして目前の21世紀初頭にはITのインフラが整備され、たぶん本当の意味での高度情報化社会(この言葉も今では死語になりつつありますが)が開花するのでしょう。というところまでは予測がつくのですが、それから先は私の頭では全く想像もつきません。 それにしても昨今のデジタル商品開発の早さと商品寿命の短さには驚かされるものがあります。つい3年程前のパソコンの内蔵ハードディスクはたしか何百メガほどだったと思いますが、今では十数ギガがあたりまえで、おまけに価格はダウンしており、おそらく数百ギガディスクも時間の問題だといわれています。ある電器メーカーの「20世紀に残していくもの、21世紀に持っていくもの」というフレーズの液晶テレビのCMがありますが、さて、みなさんは何を20世紀に残していきますか。  1.真空管 エレクトロニクスで主役を務める能動素子のなかで、最も歴史が古いものです。真空の中で、フィラメントを熱すると電子が飛び出すという特性を利用したもので、文字どおり中が真空(0.000001mmHg程度)になっているガラス管や金属管内に、電子を放出するカソード、電子を吸引するプレート、電子流を制御するグリッド、カソードを加熱し熱電子放出を行いやすくするフィラメント等を封入したものです。 TVラジオ等の初期には、大活躍し今の電子工学発展の基礎を築きました。現在では、温かみのある音源としてアンプ等に使用されています。  2.Lカセット オープンテープでは大げさだし、かといってカセットは音が悪いし。そういう過渡期に登場したのが「Lカセット」です。「Lカセット」は、カセットテープの手軽さと、オープンテープの音質のよさを取り入れたマニア向きの製品で、SONYから発売されました。カセットに満足できないマニアには大いに賞賛されました。テープの幅は1/4インチとオープンリールと同じ。テープスピードは19cmと9.5cmが選べたかと思います。録音にはテープ速度は速いほど音質は良いので、これは売れると誰もが思ったことでしょう。しかしいつのまにかその姿を消してしまったのでした。(誰かお持ちの方いらっしゃいます?)  3.8トラック 20~30年程前のカーオーディオと言えば8トラックが全盛だったかと思います。1/4インチのテープをエンドレスでつなぎ、テープの巾を8トラックに分けて2トラック4チャンネルとしたものです。1チャンネルあたり約10分から15分くらいで、それが4チャンネルありますから、大体LP1枚分ぐらいは収納できたようです。ポニーキャニオン・アポロン・クラリオン……。  4.レコード 1877年にアメリカのエジソンが蓄音機を発明してからのメディアとして1980年代半ばまでは、音楽=レコードの図式でしたが、1982年にCD(Compact disc)の登場で淘汰されたかのように見えました。が、近年その良さが見直されジワジワと復活の兆し(一部マニア?)が…。レコードを置いていなくても未だにレコード屋さんだし、年末には“輝け○○レコード大賞”なんてのもやっているし。  5.MSX(HONDAのスポーツカーではありません) 1983年にMicrosoftが提唱した8bitパソコンの世界統一規格。家庭で使うことを初めて本格的に意識して開発されたMSXは、規格統一というコンセプトも含め各家電・AV機器メーカーに広く受け入れられました。Panasonic、SONY、SANYO、Victor、Pioneer、YAMAHA、など主だったメーカーから発売された台数は総計で500万台にも達し、定価も19,800円~という低価格戦略と今までにはない本体デザイン(グッドデザイン賞受賞機種多数)などにより、パソコンを初めて購入する層を含めて広く普及するに至りました。(現役でもお持ちの方いますか?)  なお、MSXは「M」icro「S」oft「X]の略称であり、当時MS-DOSなどを発表していたMicrosoftラインナップの一員として名付けられました。  6.自動車(ミゼット) ガソリン自動車の第1号は、各国で様々な説があるようですが今のところ一応ドイツのカール・ベンツが1886年に作った3輪自動車と言われています。リヤ・アクスルの上に置かれたエンジンは水平単気筒4サイクル、史上初(当たり前)のデファレンシャルギヤを備えていたそうです。日本では1936年9月に発表されたトヨタの第1号乗用車AA型が有名ですが、やはりダイハツから発売されたあの愛らしい姿の「ミゼット」が心に残るのではないでしょうか。近年ではミゼットⅡも発売されています。  7.電 話 電話そのものの発明は、1876年アメリカのベルによって音を電気の振動に変換し、双方向での会話のやりとりができる仕組みが発明されました。日本では1900年に街頭公衆電話が登場しています。昨今の携帯電話(PHS含む)ブームで公衆電話の在り方もどうなってしまうことやら。また、今後情報端末としての携帯電話に期待するところが大です。あと料金がもう少し安くなれば……。  8.VTR 1956年アメリカでビデオテープレコーダーが発売されています。日本ではお馴染みのVHS型式 vs β型式があり、軍配はVHSに上がりβ型式は現在電気屋さんでは殆ど見ることができなくなってしまいました。(わが家では現役で働いています。)このビデオテープも近い将来、磁気ディスクや光学ディスクに取って代わるかもしれません。  9.鉄腕アトム 1963年1月1日から放映された国産最初の長編連続テレビアニメ「鉄腕アトム」。実は、国産テレビアニメの第一号は前年9月にスタートしたおとぎプロ制作の「ヒストリーカレンダー」なのですが、こちらは5分の帯番組で、30分の長編連続ものとしてはアトムが初の試みだったようです。週1本のノルマをこなすために、アメリカのハンナ・バーベラがテレビ用に開発したリミテッド・アニメを導入し、ストップモーションやセルを保管して繰り返し使うバンクシステムなどの省力化策も考え出されました。「鉄腕アトム」は66年12月までに193本が制作され、最高40.3%、平均25%の高視聴率で人気番組になりました。また、1963年9月からはアメリカのNBCテレビでも「アストロボーイ」の題名で放映されました。 今回の特集はどうでしたか?どれも、思い当たる人が多いと思います。このコーナーで取り上げてほしいランキングなどありましたら、digitalまいど編集室まで「こんなランキングをやって!」と、どしどしリクエストください。 いよいよ20世紀もあと残り僅かになってきました。そこで今回は、「20世紀に誕生したすばらしきモノたち」を偏見による偏見でランク?アップ。誕生(発明・発見)そのものは20世紀以前の物もありますが、その「モノ」が20世紀製ということで掲載しています。

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