デジタルまいど No.1~N0.48
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(1)digitalまいど第3号発行日:1988年(平成10年)1月1日(木曜日)発行/〒550-0013 大阪市西区新町1-16-1 TEL/06-534-8100(代)FAX/06-534-8108 E-mail:ksiinfo@ingnet.or.jp http://www1.ingnet.or.jp/ksi/(編集協力/株式会社アクティー)digitalまいど編 集 室今、現代社会で意識・無意識にかかわらず関係しているデジタルメディア。一言でデジタルメディアといっても、横文字ばっかりでさっぱり解らない。「21世紀のインターネットはどうなるの?」「衛星放送って、どんなに便利なの?」というような疑問を「digitalまいど編集室」が総力をかけて占います。題して、「徹底大予想、2000年のデジタルメディアは?」。今回はチョット長いよ!■2000年のデジタルメディアのキーワードとは2000年・・・今世紀最後の年は、デジタルメディアが世の中の情報システムに根付くための節目の年になる。通信、放送、パッケージの各メディアで覇者となったインターネット、デジタル放送、DVDが、いよいよ3大キーワードとなるからだ。まず、いち早くデジタルメディアの主役に躍り出たインターネットは、2000年までに技術的な基盤がほぼ揃う。一歩遅れて放送分野でも、地上波とBS(放送衛星)によるデジタル放送が2000年に始まっているだろう。DVDはパッケージ系メディアの“盟主”の地位を獲得する。来るべき21世紀は、この3つのメディアをいかにうまく利用するかがキーワードとなるだろう。インターネットと放送メディア昨年の7月に、KDDなど4社が設立した世界初のインターネット放送局「Jストリーム」が開局した。これはアメリカのベンチャー企業の技術を使って、1万人のユーザーに動画を“放送”をするものだ。これに続いてISPと呼ばれるインターネット・サービス・プロバイダー(インターネット接続提供業者)が、近いうちに同様のサービスを始める。これによりインターネットがマスメディアに向かいはじめる。一方、マスメディアの代表である従来の放送メディアは、“ニッチ化(すきま化)”の方向に向かっている。CS(通信衛星)放送は2000年には350チャンネルに達し、データ放送が開始されることで、インターネットのホームページコンテンツをユーザーのパソコンやテレビに送り込むことが可能となる。CS放送事業者は、衛星放送と通信を組み合わせて、オン・デマンド型のコンテンツ配信サービスを始めると決定している。それらの要因からインターネットは現状の放送メディア化し、放送メディアはインターネット化とお互いが向かい合っている。そうなると、どちらかが相手を潰したり、取り込むと考えがちである。しかし、2000年にはお互い別々の道を進むであろう。なぜかというと、現状ではインターネットで配信できる動画は、テレビとは比べ物にならないほど低品質なもので、料金を払ってコンテンツを見ようというユーザーや広告を出すスポンサーを見つけることは困難である。放送メディアはホームページなどのコンテンツをユーザーすべての要求に応えて配信するためには、2000年の現状では圧倒的にチャンネルが少ない。その理由により、インターネットと放送メディアはともに、お互いの領域を脅かすには力不足である。DVDは放送とインターネットを補完2000年にはパソコン・テレビなどの家電製品などでDVDディスクを再生できるようになる。それにより、従来行っていたビデオ・LDの映画・音楽などのタイトルの配信は、2000年にはデジタル・大容量のデータで収めることの可能な、DVDディスクでの配信に換る。パソコンの上級機種にはDVD-RAMと呼ばれる記録・再生の可能なディスクドライブが搭載され、そればかりか家電製品などにも搭載されるようになれば、「ノン・パッケージ流通」が始まるだろう。ノン・パッケージ流通とは、インターネットや放送を使用してディスクにデジタル・データを直接送り込もうとするアイデアであり、これによりインターネットや放送を使ってコンテンツの配信を事業化しようとする企業との方向性と思惑がピッタリ一致することになる。「2000年のデジタルメディアのキーワード」を下にまとめ、次のページより「インターネット」、「デジタル放送」、「DVD」の2000年の動向をひとつひとつ見てみることにしよう。徹底大予想、2000年のデジタルメディアは?新春号記念◆ちょっと気になるあの言葉◆2000年のデジタルメディアのキーワード全体像「通信メディア」と「放送メディア」の融合は行われない。DVDを活用する「パッケージメディア」を加えて、独立したメディアとして成長し、それぞれ関係しあう。通信メディア(インターネット)インターネットでのアクセス環境はモバイルを含めて64kビット/秒が標準となり、一方でインターネット・サービス・プロバイダーが独自のサービスの「囲い込み」を強化する。パッケージメディア(DVD)パソコン用を中心にDVDが普及、「ノン・パッケージ流通」の記憶メディアとして使われ始める。ただし、家電製品へのDVDの浸透は2000年以降になる。放送メディア(デジタル放送)1つの電波帯域に1チャンネルという従来の概念がなくなる。衛星を使ったコンテンツの配信が本格化して、パソコンでもデジタル放送を受信することが可能となる。

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