デジタルまいど No.1~N0.48
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発行日:2000年(平成12年)7月1日(土曜日) さてと今日はメールチェックしよっと。なになに件名はI LOVE YOU?わーい!eメールでラブレターが来たわ。 えっ! I LOVE YOU?ちょっとそのメールを開くの待った!!それはウィルスを含んだメールかもしれない。まど香知らないの? そうなんだ。I LOVE YOUは今年のゴールデンウィーク明けに全世界中に広がった、eメールを通じて感染するコンピュータウィルス。添付されたファイルを開いてしまうとウィルスに感染するしくみになっている。感染するとeメールのアドレス帳の内容が全部削除されたり、重要なシステムファイルが壊されてパソコンが使用できなくなるなどといったことが報告されている。さらに使用者も気づかないうちに全アドレスへ同様のウィルス付eメールが送信されて被害が拡大したんだ。以来日本では通産省が不用意に不審なメールの添付ファイルを開かないよう注意を呼びかけているんだ。 こわーい。じゃあ添付ファイルを開かなければウィルスには感染しないのね。 いやいや、感染経路はeメールの添付ファイルに限らないよ。FD、CD-ROM、ローカルなネットワークやインターネットからのダウンロードなどからも感染する可能性があるんだ。特に最近はネットワークを介して感染するケースが非常に多くなってるんだ。 えー、いつも何気なくどれも使ってるわよ。もう怖くてパソコン使えないじゃない。なにか対策はないの? ウィルスを撃退する最新のワクチンソフトと呼ばれるアプリケーションを活用すること。symantec社の「Norton AntiVirus(ノートンアンチウィルス)」(Windows用、Mac用)が代表的ね。インストールして自分のパソコンへのウィルスの侵入を自動監視させているだけで大丈夫!ですよね教授? インストールするだけじゃだめなんだ。新しいウィルスは日々世界中のどこかでつくられて悪意にばらまかれているため、すぐにワクチンソフトの手に負えないウィルスに感染する可能性があるんだ。だから新しいウィルスに対抗するワクチンをできるだけ頻繁に手にいれる必要があるんだ。 どこでどうやって手に入れるの? わかった2丁目の◯×薬局にいけばいいんでしょ! パソコンは人間じゃないからね。でも考え方としたら正しいよ、インターネット上の薬局にいくんだ。「Norton AntiVirus」を例にとると、 その薬局に行くためにパソコンがインターネットに接続されている必要があるんだ。もちろん企業内からのネットワーク接続や自宅からのダイアルアップ接続などでも可能だ。最新のワクチンはファイル形式で薬局にあたるsymantec社のサーバーに無料で置いてあるので、インストールされている「Norton AntiVirus」を起動して、Live Update(最新ワクチンファイルの取得)ボタンを押すだけでワクチンファイルのダウンロードが始まる。ダウンロードが完了すると新しいウィルスに対抗できるようになるんだ。 ふーん。なんだかウィルスが怖くてメールやインターネットをするのがおっくうになってきたわ。 ここで誤解を解いておこう。インターネットに接続するだけでは感染しないし、ウィルスに感染したプログラムをダウンロードしても実行しなければ感染しない。また受信したeメールを読むだけでウィルスに感染することはない。しかし、eメールに添付されたファイルを開くと感染する恐れがある。例えばMS-Wordの.docファイル、MS-Excelの.xlsファイル、実行ファイルの.exeファイルがeメールに添付されていてそれを実行したために感染したケースが増加しているんだ。必ずワクチンソフトでチェックして開くようにしなければならない。ここで対策をまとめてみよう。 <ウィルス対策> ・最新のワクチンソフトを活用する。 ・万一のウィルス被害に備えてデータのバックアップを行う。 ・ウィルスの兆候を見逃さず、ウィルス感染の可能性が考えられる場合ウィルス検査を行う。 ・メールの添付ファイルはウィルス検査後開く。 ・ウィルス感染の可能性のあるファイルを扱う時は、マクロ機能の自動実行は行わないようにする。 ・外部から持ち込まれたFD及ダウンロードしたファイルはウィルス検査後使用する。 ・コンピュータの共同利用時の管理を徹底する。 どういう状態が感染している可能性があるの? それもまとめて言うと、 <感染している可能性のある状態> ・画面に異常が発生する。 ・システムが立ち上がらない。 ・システム立ち上げ時に異常に時間がかかる。 ・システムがハングアップする。 (固まって止まってしまう。) ・ユーザーの意図しないディスクアクセスが起こる。 ・ファイルが削除、破壊される。 ・ディスクが壊される。 ・ワクチンソフトによる表示。 万一感染してしまったらどうすればいいの? これは心してかからなければならない。ウィルスに感染した時の対処法によって、被害を最小限に抑えることが可能なんだ。下記に実際にウィルスに感染した時の対処法を示そう。 <感染後の対処> ・コンピュータの知識やウィルスに関する知識がないユーザーの場合にはむやみに操作せず、専門家(システム管理者、ワクチンソフトメーカー、コンピュータメーカー)等に問い合わせる。 ・自分で直せる場合はワクチンソフト等によってウィルスを駆除し、再発しないように全てのFD、MO等の記憶媒体もチェックする。 ・コンピュータを共同利用している場合やLANを構築している場合には全てのユーザーに知らせ、再発を防止する。 上記の方法でウィルスが駆除できてもできなくても、ウィルス感染被害の実態を把握し、被害の拡大と再発を防止するために「ウィルス被害届出」の受付を行っている情報処理振興事業協会(IPA)に届ける義務があります。 情報処理振興事業協会(IPA) http://www.ipa.go.jp/security/index.html コンピュータウィルス対策ホームページ http://www.qr.cas.uec.ac.jp/̃anti/index.html なるほどね。ところでまど香"I LOVE YOU"のメールの内容は? だから開いてないわよ! 誰? こんなメールを送ってくるのは… このコーナーは皆さまの身近にあるコンピュータ上で起こるさまざまなトラブルを未然に防ぐ方法をお知らせするコーナーです。 第15回 登 場 人 物 今月号のひとこと ◆プロセッサー教授(?歳) ウィルス対策もやっぱり「備えあれば憂いなし」。 大切なデータのバックアップもわすれないように・・・。 ◆まど香(年齢不詳、改名して7年) せっかくのラブレターと思ったら、なんと招かれざる侵入者「I love you」でした。これからもどんなウィルスが現れるかと思うと怖くてメールを開けないまど香でした。 ◆リンゴ(24歳) 以前にウィルスで痛い目に遭ったことがあるので、ウィルス撃退にはちょっと神経質。教授から教えてもらった技でこれからはウィルスなんか怖くない。 (3) コンピュータウィルス対策!! まど香 リンゴ 教授 まど香 教授 まど香 リンゴ 教授 リンゴ 教授 まど香 教授 リンゴ 教授 まど香 教授 リンゴ まど香

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