デジタルまいど No.1~N0.48
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digitalまいど第2号発行日:1997年(平成9年)11月1日(土曜日)発行/〒550-0013 大阪市西区新町1-16-1 TEL/06-534-8100(代)FAX/06-534-8108 E-mail:ksiinfo@ingnet.or.jp http://www1.ingnet.or.jp/ksi/(編集協力/株式会社アクティー)digitalまいど編 集 室■ついに発売された日本語版Acrobat今年5月、ついにAdobe Acrobat3.0Jが発売された。1991年にAcrobat1.0が発売されバージョンアップを重ねた末、2バイト文字を扱える日本語版が完成したのだ。これが日本語による電子文書・電子出版・Web表現に与えるインパクトは大きいと言えるだろう。Acrobatは印刷機能のあるアプリケーションで作成されたドキュメントなら、どんな種類のものでもオリジナルのレイアウトと内容(テキストと画像)を保ったまま、電子配信可能な形式(PDFファイル)に変換・圧縮を行うことができる。このAcrobatで変換・圧縮されたPDFデータはAcrobat Readerによって画面表示や印刷を行え、フロッピーディスク(FD)やCD-ROM以外に、電子メールで配信、Web上の掲載も可能だ。Acrobat ReaderにはMac OS用とWindows用があり、どちらもフリーウェアとしてアドビシステムのホームページ(http://www.adobe.co.jp)よりダウンロードが可能であり、各種コンピュータ雑誌に付録のCD-ROMに収録されていることもある。また、PDFファイルの制作者がAcrobat Readerを自由に配布することも許されている。つまり、Acrobat Readerさえあれば、同じPDFファイルをOSやハードウェアの相違を越えて、誰でも同じように観覧・印刷することができる。■PDFとは何かPDF(Portable Docment Format)は、Acrobatの開発元であるアドビシステムが開発した電子文書フォーマットで、その仕様は一般公開されている。その名のとおり、電子的ドキュメントを制作環境(OS、フォント、作成アプリケーションなど)から独立させ、どのような環境上でも利用できるポータブルなドキュメントを実現したものである。このPDFの特徴の数々を次に記してみよう。■日本語フォントの代替PDFは日本語フォントのデータをファイルに含むことは不可能だが、指定フォントの種類や1バイトの文字幅などレイアウト関連の情報はファイル内に記録される。利用ユーザーの環境に指定フォントがない場合、Acrobat Readerがシステムから適当なTrue Typeフォントを選択し代替する仕組みになっているのだ。特に、MacintoshとWindowsの間では、異なる書体表示の場合が多い。そのため「文書の内容とデザインを、いかなるユーザー環境でも同一に、かつ美しく読みやすい形で画面に表示させる」というPDFファイルの本質を満たせなくなる可能性はあるが、レイアウトは完全に保持されるのでデザインが崩れているという印象派あまり受けない。■圧縮PDFは、ファイルサイズを縮小するためにJPEG、CCIT、ZIP、LZWなどの圧縮ファイルをサポートしており、テキスト、画像のそれぞれに対して適切な圧縮がPDF作成時に自動的に行われる。また、マニュアルで適切な設定値でサイズを圧縮することもできる。■ページ割りPDFは、表示・印刷をページ単位で管理でき、ページめくりはキーボードで1ページずつ行えるほか、ツールバーのナビゲーションボタン・スクロールバーでも行える。ページの左側に「しおり」と呼ばれる目次を表示し、これをクリックして目的のページにジャンプしたり、目次のかわりに各ページの縮小イメージを表示するなど、ナビゲーションに工夫が凝らされている。また簡易な語句検索機能が備わっており検索することもできる。■拡大・縮小Acrobat Readerは、さまざまな倍率で表示することが可能で全体表示や部分的な拡大もできる。テキストコラムを拡大し順序だてて読むこともでき、電子文書としてのPDFの特徴と言える。■さまざまな素材を使用できるドキュメントに他のページやファイル、Webなどへのリンク付け、サウンドやムービーの再生ボタンを付加することもできる。■各種セキュリティ「PDFを開く」「PDFを印刷する」などの各種段階でのセキュリティをファイル単位に設定することができる。これで、特定の対象への電子文章・電子出版をPDFで行うことが可能である。これらのメリットを利用して、従来流通している何らかの形でパッケージされているパッケージ・メディアに加えて、インターネット・イントラネットなどのネットワークが整備されてきたことによるネットワーク・メディアという新しいメディアが登場するだろう。いずれにしろ、色々な可能性が含まれているPDFという新しい技術には当分注目していきたい。電子文章・電子出版の革命児、PDFファイル!PUSHON!ON!このコーナーではデジタル化の一例を、ケーススタディにそって紹介します。●省スペース化以外にもこんなメリットが!以前より取引のある通信機器の製造会社より連絡がありました。内容は「各製品の製品マニュアルを各営業所で保管をして、ユーザーのサポートを行うために過去のマニュアルをすべて保管しています。けれど、製品の数も多くなってきており保管場所の確保が難しく、その特定の機種のマニュアルを見つけるのが大変なので、製品マニュアルをデジタルデータ化することは出来ないだろうか?」という相談でした。製品マニュアルのデジタルデータ化の条件は以下の通りです。●製品も多機種になり、サポートのための製品マニュアルの保管場所に困っているので、省スペース化したい。●国内の営業所だけではなく、海外の拠点も持っているので、コンピュータのOSに出来るだけ依存しない。●デジタルデータ化するにあたって、ユーザーに製品マニュアルをプリントアウト可能にする。●機種名や機種番号で検索できる。そこで関連会社の(株)アクティーの協力で、「製品マニュアルのデジタルデータ化と検索システム」を提案しました。その提案は以下の内容です。●現存の製品マニュアルについては、スキャナーを用いてデジタルデータ化する。●新規の製品マニュアルについては、DTP化する。●営業所にはCD-ROMという媒体を利用して配布する。●各営業所には、最新のサポートに関する情報はインターネットを利用して配布する。また各営業所からのサポートに関するフィードバックもインターネットを利用する。などのPDFフォーマットとインターネットなどの技術を使用するという提案を行い、採用していただき、まず現存の製品マニュアルのデジタルデータ化に取り掛かったところです。◆ちょっと気になるあの言葉◆皆様もこれをお読みになって興味をもたれたら、弊社にご連絡下さい。

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