デジタルまいど No.1~N0.48
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◆ちょっと気になるあの言葉◆ 発行/〒557-0063 大阪市西成区南津守7-15-16 TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894digitalまいど 編集室 ホットラインMAIL:ksiinfo@ksinet.co.jp「digitalまいど」のバックナンバーはホームページでPDFファイルにてご覧になれます。また、印刷物をご希望の方は編集室までご連絡下さい。 ホームページアドレスはこちらです! http://www.ksinet.co.jp/ 通信会社グループの構成 携帯電話事業通信会社は、現在大きく4つのグループに分ける事ができる。まずは、圧倒的なシェアを誇るDoCoMoの『NTT移動通信網グループ』、cdmaOneが好調の『DDI・セルラーグループ』、ツーカーホン関西やツーカーセルラー東京などの『ツーカーグループ』、そして今年10月に社名変更を行いネットワークを広げた『J-フォングループ』。 一方、PHSを扱う通信会社は『DoCoMoグループ』、『DDI POCKETグループ』、『ASTELグループ』の3グループに分かれる。また昨年は、PHS事業の再建策が実行され、年末に清算されたNTTパーソナルはDoCoMoに引き継がれた。業界のトップシェアに立つDDIポケットも早期黒字化を目指しているが、伸び悩むPHS市場は減少傾向にある。 そのような中、携帯通信事業はより新しいサービスを、PHSも電波の切れやすいイメージを打破する為に新しいコンセプトを各社とも打ち出してきている。 iモード(NTTドコモ) 99年2月にサービスを開始したDoCoMoの『iモード』サービス。インターネット・メールのやり取りとWebアクセスが手軽にできるこの文字情報サービスは、約150万ユーザーの利用があり、現在も増加中。 『iモード』は通常のWebコンテンツではなく、搭載されたマイクロブラウザーを通して表示される専用のコンテンツのみ表示できる。しかしHTMLの互換言語を用いてるため、従来のWebコンテンツをわずかに手直しするだけで利用できる。この手軽さも手伝い現在約130社以上の企業が約2000もの専用コンテンツを配信している。内容も銀行や証券会社などの金融サービスや天気予報、ニュースからヒット曲のランキングやゲーム・占いといったエンターテイメントまで、かなり充実している。また、大手バイク便会社では各ライダーに携帯電話を持たせ、これまで電話で直接連絡していた荷届け状況を直接iモードの画面入力で行わせ、省力化とコスト削減を行ったり、一般企業も営業部員が出先からExchangeやNotesの社内メールやスケジュールを見るのに利用する等、用途は拡がっている。 この『iモード』の加入者は予想以上の延びを見せ、2000年3月期までには400万件突破の見込みであり、現在ではiモード市場が新しいモバイル市場として飛躍的な成長を遂げている。 Ezweb Ezアクセス (DDI・セルラーグループ) この『iモード』に追撃の攻勢をかけるのが第二電電(DDI)グループと日本移動通信(IDO)、つまり『DDI・セルラーグループ』。DDIは「Ezweb」、IDOは「Ezアクセス」と呼称こそ違うが、どちらも『WAP』(Wireless Application Protocol)と呼ばれる通信技術を使った文字情報サービスを4月に開始した。機能的にはWebアクセス・Eメールが可能で『iモード』と大差ないが、現在利用者は『iモード』に大きく水をあけられ、15万人程度、コンテンツ提供も合計60社程度のようだ。が、実は世界的に見ると『WAP』コンテンツのWML(Wireless Markup Language)こそが次世代のインターネット言語『XML』で作成された言語で、いわば標準語。つまり、『iモード』端末では海外のWebサイトを利用できないが、『WAP』は外国のコンテンツの閲覧も可能なのだ。 『WAP』が『iモード』に大きく引き離された理由の一つに料金の問題がある。『iモード』は1パケット(128バイト)で0.3円というデータ量課金。一方、『WAP』サイドは接続時間による課金で、入力に手間取る時間も通信料金がかかってしまうのだ。そんな劣勢の中、『WAP』陣営は今年12月にパケット課金、さらに64kビット/秒のデータ通信を開始する予定で、DoCoMoとの差を詰めるための巻き返しを図る。 『iモード』と『WAP』はそれぞれ言語が違うため互換性がない。現在購入を考えている方は頭を悩ます所だと思う。コンテンツの充実度では国内においてだんぜん『iモード』の方が有利だが、伝送速度64kビットの『WAP』も魅力的だ。しかし、ここに来て遅れを取っていたJ-フォングループが動きだす。HTMLを独自に拡張した、『MML』(Mobile Markup Language)という言語を採用すると9月に発表。MMLは『iモード』と同様にHTMLのサブセットに当たり、『iモード』向けに作成されたWebページを見る事ができる。国内においては『iモード』仕様が業界標準として定着する可能性が大である。 ハイブリッド携帯通信 H”/エッジ (DDIポケット) さて話は変わって、最近低迷ぎみPHS市場。今年3月まで18ヶ月連続で加入台数が減少。PHSの『音が悪くて切れやすい』イメージが浸透してしまい、各社悪戦苦闘の中、そこに「PHSでもなく携帯でもない、新しいメディア」としてDDIポケットグループが提唱するサービス『H”』(エッジ)の登場である。最近、江口洋介とトータス松本のCMで「これ何?」と思った方も多いと思うが、これはズバリPHSなのである(DDIポケットさんご免なさい)。何がこれまでのPHSと違うかと言うと、通話中に他の電波を探し続け、瞬時に切り替えるツインウェーヴ機能で移動中でもほとんど途切れることのない通話が可能となった。また、音質も向上し、固定電話と同レベルの32kbpsの音声通信速度を採用。さらに、64kbpsの高速データ通信も可能で、Eメールもできる。『音が悪くて切れやすい』のイメージを払拭する新しいハイブリッド携帯通信なのだ。 また、DDIポケットではコンテンツ配信にも積極的で『PメールDX』という名称で80種No.12急成長の移動体通信市場は、携帯電話・PHSを合わせ今年5000万人を越えるユーザー数で、衰退するポケベルとは逆に、引き続き高い成長水準を維持している。 当然デジタルまいどをお読みの皆様もお持ちの事と思うが、今回はそんな身近な携帯電話・PHSにスポットを当て、次々と提供される各社の新しいサービスを紹介していく。 まさにデジタルの波は身近な所にも押し寄せているのだ。 digitalまいど第12号 発行日:1999年(平成11年)11月1日(月曜日) (1)

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