デジタルまいど No.1~N0.48
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No.9発行/〒557-0063 大阪市西成区南津守7-15-16 TEL:06-652-8000(代) FAX:06-652-8894digitalまいど編集室 ホームページアドレス http://www1.ingnet.or.jp/ksi/ホットラインMAIL:ksiinfo@ingnet.or.jp (編集協力/株式会社アクティー)「digitalまいど」のバックナンバーはホームページでPDFファイルにてご覧になれます。また、印刷物をご希望の方は編集室までご連絡下さい。digitalまいど第9号発行日:1999年(平成11年)1月1日(金曜日)SGML & XMLってどんな物SGML & XMLってどんな物欧米では近年「デジタルデータ」がおおはやりで、日本でもようやく政府を中心にして電子データ化の動きがでてきました。その中で、ときどきSGMLとかXMLとかという名前も目にすることがありますが、いったいこれって何でしょう。解説書や一般書籍を見てもよくわからないというのをよく聞きますので、今回はこのSGML/XMLについてちょっと勉強してみましょう。SGMLって、どんなもの?SGMLは、Standard Generalized Markup Languageの略で、「標準汎用マークアップ言語」とか「標準一般化マーク付け言語」などと訳されています。1986年に国際標準化機構ISOの承認(ISO8879)を受け、日本でも1992年にJIS化(JIS X 4151)されている標準規格です。「〜言語」とありますが、一言で言えば、SGMLとは、文書を構造的に記述するための方法を定めたルール集のようなものです。SGMLの本来の目的は、1つのデータをいろいろな用途に使う「文書交換」のため、つまり「ワンソース・マルチユース」のために定められました。どんなきまりがあるの?SGMLは元々「文書交換」を目的に作られたため、SGMLで文書を作るためには、いろいろな形へ変換可能なようにその文書が構造化されたものでなければなりません。このため、SGML文書と呼ばれるためには、本文データ以外にもいろいろと準備が必要になります。専門的な説明をすると、SGMLを構成するためには次のように3つのものを用意する必要があります。1.「SGML宣言(SGML Declaration)」文字コードの種類など、このSGML自身がどのような基準で作られているかを示す非常に基本的な記述が書かれた部分です。2.「DTD(Document Type Denition)」文書型宣言などとも呼ばれていますが、作成する文書の構造とそれら構成要素を区別するための「タグ」と呼ばれるマークの書き方など、実際に文書を作成するために必要なきまりについて詳しく定義しています。このため作成する文書の種類(構造)が変われば、別のDTDを用意する必要があります。DTD内の記述はほとんどプログラムと同様なため、このDTDをきちんと作成したり理解するのがなかなか大変で、これがSGMLを難解にしている1つの原因のようです。また、このDTDで記述された内容が理解できないと実際にSGML文書を作成することさえできません。実際にはSGML作成用のアプリケーションもいろいろとあるため、これらを利用すればDTDを理解していなくても文書は作成できます。大規模なSGMLになると専門の業者などに依頼して作成してもらう場合が多いです。3.「文書インスタンス(SGML Instance)」タグ付き文書とか、文書実現値などとも呼ばれます。簡単に言えば、SGML文書の「本文」のことです。 常のテキストに、DTD内で定義してある「タグ」を挿入して文章を構造的に表現します。この「タグ」の意味を識別することで冗長な表記でも構造的に認識することができます。XMLって、どんなもの?最近ではSGMLよりもこのXMLという言葉の方をよく目にします。これは、Extensible Markup Languageの略で、「拡張可能なマーク付け言語」などと訳されていています。1996年に初めて規格案が出され、1998年2月にW3Cという団体によって正式に制定されました。SGMLのルールを大幅に簡略化し、主にインターネットやマルチメディアでの利用を想定して、改良・拡張されました。XMLでは、DTDを省略することも可能で、SGMLに比べて手軽に文書インスタンスを作成することができます。Microsoft社やNetscape社などもサポートを表明しており、今後は急速な普及が予想されています。HTMLとは、どう違うの?インターネットの世界でよく出てくるHTMLは、HyperText Markup Languageの略で、ホームページをどのように表現するかを記述するための「言語」です。このHTMLというのは、SGMLやXMLの名称と似ていることから想像できるように、もとはSGMLのきまりを参考にして作られたものです。HTML文書も同様に「タグ」を文章中に挿入して作りますが、SGMLやXMLのように構造化のためでなく、あくまでホームページのレイアウトを表現するためだけに「タグ」を利用しています。また文書インスタンスだけを作成すればよく、SGMLのようにいろいろと他に用意する必要はありません。このように簡単で便利なのですが、XMLと比べて機能的な限界も指摘されています。どんな物に使ったら、いいの?SGMLやXMLで作成された文書は非常にすぐれた柔軟性と拡張性を持っており、時代を問わず半永久的に利用でき、また構造化されているためデータの検索や変換などが容易に行えます。このためSGMLやXMLでデータを作成しておけば、ソフトのバージョンの違いやハードウェアの違いを気にすることなくデータを蓄積でき、データベースを利用してデータを再利用したり、紙やCD-ROM、インターネットなどいろいろな形にデータを加工したりできます。最近ではエコロジーの流れもあり、特定の用途のたびに使い捨ての文書を作成するのでなく、後で「他に流用する事も考えて」から、SGML/XMLでデータを作っておこうっていうのが現状です。皆さまもこれをお読みになって興味をもたれたら、弊社にご連絡下さい。現在、様々なアプリケーションによって作成されたデータは、異なるファイル形式であるため、完全に互換性を保つことは不可能です。皆様もお仕事を行なわれる上でお困りになられることがあると思います。SGMLを使えば、ソフト固有の情報を必要とするレイアウト情報を取り除き、文書をすべてテキスト形式にし、文書の一部分を「部品」として扱えます。また、データベース等ON!ON!で管理することにより、その「部品」を共有化して、再利用する事が出来ます。このように便利なSGMLを利用しない手は有りません。私どもデジタル事業部では、専門の知識を備えた開発部門と営業部門とを同一部署内に配置しており、既存の印刷物製作の過程からSGML等への移行もふまえた形でのご提案をお客様にお届け致しております。デジタル事業部 島田 幸雄TEL.06-6534-8200謹賀新年1999年元旦◆ちょっと気になるあの言葉◆

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