デジタルまいど No.1~N0.48
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No.38October 2004 vol.04(1) 発行/〒557-0063 大阪市西成区南津守7-15-16 TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894digitalまいど 編集室 ホットラインMAIL:digitalmaido@ksinet.co.jp「digitalまいど」のバックナンバーはホームページでPDFファイルにてご覧になれます。また、印刷物をご希望の方は編集室までご連絡下さい。 ホームページアドレスはこちらです! http://www.ksinet.co.jp/ digitalまいど第38号 発行日:2004年(平成16年)10月15日(金曜日) JQA-QM4518JQA-EM1942ちょっと気になるあの言葉 ユニバーサル デザインってなに?  先進国と呼ばれる地域では、急速に高齢化が進んでおり、特に日本ではこの傾向が顕著です。また一方では、国際化という流れがあり、様々な年齢層、多様な個性や文化を持った人々で形成される社会という現実と将来像を前提にしなければならなくなりました。  このような社会では、身体の障害にかかわらず、幅広い年代層・性別・言語・文化を考慮したデザインが求められます。ユニバーサルデザインとは、多様なユーザーを想定し、その特性に基づく使いやすいデザインを開発していこうという発想です。  ユニバーサルデザインの提唱者はノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス教授です。多様な人々が利用できる製品のデザインや設計としてユニバーサルデザインを提唱したのです。 バリアフリーとは どこが違うの?  70歳を越えるあるご夫婦のお宅が一昨年バリアフリー化のリフォームを行いました。各部屋の入り口にある段差を無くし、スイッチにはLEDが付いていて、しかも赤ちゃんの手のひらほどもある大きさです。浴室には滑らない床に非常ベル、浴槽の中に手すり、キッチンは高さが調節でき、火を使わないIHクッキングヒーターはお年寄りのうっかりをカバーしてくれています。  公共の場でもバリアフリーの設備が整ってきています。点字ブロックはもとより、エレベーターや場内アナウンス、段差を無くすためのスロープなどハンデを持つ人にやさしい取り組みがなされています。  それでは、バリアフリーとユニバーサルデザインはどう違うのでしょう。ハンディキャップを持った人(弱者)にやさしいという視点のバリアフリーに対し、ユニバーサルデザインは全ての人を対象に、できるだけ  多くの人にやさしいデザインを追求するというところが相違点といえるでしょう。 ユニバーサルデザインの視点は全ての人がハンデを負う可能性があるという発想です。身体の障害だけでなく、性別による違い、地域や文化による違いを考慮したデザインということです。  例えば海外へ旅行したとします。慣れない異国で言葉が理解できない、文字が理解できないといった状況にあるとき、看板に描かれている形や色別などの工夫によって、その意味するところが理解できたりします。このような工夫や発想がユニバーサルデザインなのです。 ユニバーサル デザインの7つの 原則  ロナルド・メイス教授が提唱したユニバーサルデザインの7つの原則は次の通りです。 1.誰にでも公平に利用できる 2.使う上で柔軟性に富む 3.簡単で直感的に利用できる 4.必要な情報が簡単に利用できる 5.単純なミスが危険につながらない 6.身体的な負担が少ない 7.接近して使える寸法や空間になっている  上述の7つの原則は、ユニバーサルデザインを行う上での基本的な発想です。設計者やデザイナーがこの発想を基に工夫した製品やサービスを創ることが本来のユニバーサルデザインなのです。  家電製品はユニバーサルデザインの宝庫です。なかでも、IHクッキングヒーターには感激しました。電熱の親分みたいなものかもしれませんが、ユーザーが得るメリットは大きいと思います。子供や老人でも安心して使え、手入れも簡単で、邪魔なものが無く、しかも思ったより以上にパワフルです。これからも、多様なユーザーニーズを考慮したユニバーサルデザインがたくさん出てくることでしょう。 ■ 総務省・高齢社会白書より 19505101520253035(%) 20002050 (年) 〈世界の高齢化率の推移〉 ■ゆったり通れる  自動改札 ■幅の広い  自動ドア ← ← イタリア スウェーデン 日本 スペイン ドイツ フランス イギリス カナダ アメリカ合衆国 オーストラリア 先進地域 開発途上地域

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