デジタルまいど No.1~N0.48
114/162

DTPソフトウェア (2) digitalまいど第34号 ICカードで ユビキタス社会実現を!ICカードで   ユビキタス社会実現を!クタイプと呼ばれるものでは、制御情報を含めて僅か72バイト程度しか書き込めず、銀行の口座番号やクレジットカードの会員番号程度の記録しかできませんでした。これに対してICカードは、データ容量が5KBかそれ以上の容量を持つ物が一般的で、カード上にさまざまなデータを記録することができます。 さらにICカードでは、一部をROM化することによりデータの改ざんをできなくしたり、内部を無理にこじ開けると回路破壊によって使えなくなるようにするなどの加工が容易にできるので、磁気カードと比べてセキュリティ面でも格段に優れています。また非接触型ICカードの場合は、接触する部分がないので接触不良などの心配がなく、さまざまな環境下での利用拡大が期待されています。 ICカードは、今後一層の普及に向けて新しいタイプのカードの開発が進んでいます。たとえば超薄型カードの開発や、ディスプレイ付きカードの開発などです。電子マネーの残高やポイント、利用履歴などが表示できるようになります。 さらに非接触型・接触型共用のICカード(コンビICカード)を利用し、デジタル署名や指紋認証によって、高セキュリティかつ高速処理が可能な電子マネーの実用化も進んでいます。 ICカード、特に非接触型ICカードは、利便性の高さから、交通・情報通信・金融・流通・コンテンツ流通・サービス業など、さまざまな業種、業界で幅広く利用されると予想されています。 このようにICカードは、カードを提供する側の企業の可能性を拓くと同時に、利用者側にもシステム利用の利便性を向上させ、セキュリティに対する安心感を与えます。社会において稼働するシステムが高度化すればするほど、ICカードのように簡便で安全にネットワークに接続できるツールの存在は、ますます必要になっていくでしょう。こうした意味で、ICカードは来るべきユビキタス社会(日常生活において接するあらゆるモノにコンピュータが組み込まれる)を実現するための強力なツールになりうるものと、大いに期待されています。 DTP業界で一般的なレイアウトソフトの代表格と言えばやはりQuarkXPressであろう。(一部のPageMaker派には申し訳ないが)しばしばDTP三種の神器として、Illustrator、Photo-shop、QuarkXPressという3つのソフトウェアがあげられる。しかし、その様相に多少変化が起こりつつある。DTPソフトウェア『InDesign』の台頭によって。 InDesignとは? 複雑なデザイン作業を効率よく行うためのクリエイティブな数々のツールを搭載したAdobe社のページレイアウトのソフトウェア。現在、Mac版、Win版ともバージョン2.0Jまで出ている。 Illustratorの自由なレイアウトソフトとしての使用感を実現しながら、細かく設定できる和文文字組機能を搭載したDTPソフトである。 InDesignの機能 まずIllustratorに近い印象を与えるツールボックス。(図1)ご覧の通り、カラー、線種、文字設定、段落設定、整列、変型など多くのパレットのルックスはほとんど共通である。IllustratorやPho-toShopを使い慣れた人に取って、すんなり作業に入っていけることと思う。ショートカットも同じである。 また従来のDTPソフトが採用していたマージン/段組設定に加え、レイアウトグリッドによる版面設定を新しく追加。(図2)写植の割付用紙と同じようなグリッドにより、字取り/行取りなどの文字を基準とした編集作業を直感的に行えるようになった。 細かい段落・文字書式の設定 段落/文字の組版設定には、初期設定で12種の書式オプション(図3)が用意され、詳細な設定が可能。またルビや圏点(文字を強調する為、何らかの記号を文字列の横に配置すること)のサイズや位置なども編集可能であり、縦中横(縦組レイアウト中の半角英数文字を90°回転させる機能)も詳細に設定できる。 また、サンプルを自由に変更させながら設定できる合成フォント機能は特筆すべきであろう。(図4)漢字、かなや約物などのサイズやカーニング、ベースライン等を細かく調整できるのだが、それらの設定をプレビューウィンドウで確認しながら作業が行える。 さらに、異字体への対応やイタリック書体の設定なども便利な機能だ。(図5、図6) これらの設定は今までのレイアウトソフトウェアでも一部可能であったが、より簡潔に、そしてより詳細な設定が可能になっており、今後のテキスト編集の時間短縮と幅広い文字組表現に貢献するものと思われる。 他のソフトとの連携もサポート 同じAdobe社のIllustrator、Photoshopに関しては特にシームレスな関係にあり、コピー&ペーストやドラッグ&ドロップによりInDesign上に画像のリンク情報を設定可能。画像のレイヤー情報までもInDesignに引き継がれ、テキストの回り込みなどにも柔軟に対応できる。またIllustratorから取り込まれた画像の色情報はInDesignのスウォッチに自動登録され編集が可能である。 また、その他のソフトとしては、タブ区切りテキストやスタイル属性を含むMicrosoft WordやExcelの表を読み込んでさらにInDesignの表として編集するなんてこともできる。 OpenTypeへの対応 InDesignがDTP業界に大きな変革を起こす大きな理由の一つとして、OpenTypeフォントへの対応が挙げられる。OpenTypeはAdobe社とMicrosoft社が共同で開発を進めているフォントフォーマットで、PostScript Type1とTrue Typeのどちらのフォントにも対応できる為、MacintoshとWindows間で本格的なクロスプラットホームが可能となる。 従来出力機にインストールされていなければ出力することができなかったフォントの解像度制限が無くなり、ダイレクトに出力可能になる。こうしたメリットから、これまでのOCF→CID→NewCIDという流れから一気にOpenTypeへ移行することが考えられる。(しかしフォントが出揃い、環境が整うまでは今しばらく時間がかかりそうであるが。。。) XMLへの対応 XML形式ファイルの読み込みと書き出しも行える。例えば、タグ付きのInDesignテンプレートへXMLファイルを読み込むことによって、複数の出版用レイアウトをスピーディーに作成する事ができる。またレイアウトしたコンテンツはタグ化され、XMLファイルとして書き出す事も可能という訳である。 その他の便利な機能 ・ディスプレイ画面上でオーバープリントの状態を確認するためのオーバープリントプレビュー ・ワンステップでタブ区切りのテキストを表に変換したり、ページをまたがる表を簡単に作成できる柔軟性の高い表作成ツール ・フレームの外側のグラフィックのトリミングの状態を確認することができるダイナミックプレビュー ・ベジェ曲線などのパス上にテキストを配置可能。 今後の動向 さまざまなDTPソフトの良い点ばかりを集めた感のあるInDesginではあるが、推奨メモリサイズが192MB以上となっており、低いスペックのマシンでは操作するのが辛いのが欠点。バージョンアップのサイクルが遅いためシェアの勢いは硬直ぎみだが、MacOS9、NewCIDフォント、QuarkXPressの現状から、次世代DTPとしてMacOSX、OpenType、InDesginの時代が来ることはそう遠くないであろう。 図1In Design(右) Illustrator(左) 図2図3図4図5図6DTPソフトウェア

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です