デジタルまいど No.1~N0.48
108/162

(4) 発行日:2003年(平成15年)7月15日(火曜日) ■「digitalまいど」に関するご意見・ご感想は、株式会社ケーエスアイ「digitalまいど」編集室係(ホットラインMAIL:ksiinfo@ksinet.co.jp)まで。 取り上げて欲しい内容や、ちょっと疑問に思ってることなど お気軽にご連絡下さい。 編集後記 digitalまいど第32号 映画を見るなら映画館へというのが王道ですが、なにぶん出向いて行かなくてはならず、ついついお手軽なテレビで見るか(但しコマーシャルとカットには我慢すること!)、レンタルビデオ店で済ます方が多いのではないでしょうか。レンタルする場合はビデオでというのが通り相場でしたが、最近はハードの低価格化が進んだこともあり家庭でも映画を楽しむ時にはDVDが主役になって来ています。 DVDはデジタル収録されているので高画質・高音質で楽しむことができ、その大容量を活かして字幕版と日本語吹き替え版を収録したり、自分の見たいシーンから見られるようにチャプター機能が付いていたりもします。 家電量販店に行くと子供の頃に夢見た超薄型の液晶テレビ、プラズマテレビなどがディスプレイされており、「これで映画を見れば迫力あるだろうな、でもこんなデッカいテレビを誰が買うの?先に家建て直さな!」と思いながら眺めていると、横にはDVDプレーヤーやDVDレコーダー、ファミリーシアターセットなど映画好きにはたまらない機器が揃っていて、「週末はこんな空間でゆったりとした時間を過ごしたいな!」などと身の程知らずな空想に浸ってしまいます。 最近はいわゆる“超大作”が目白押しに公開されており、ついつい映画のことを書いてしまいましたが、今号のDIGITALまいどはいかがでしたでしょうか。編集長も替わりほんの少しリニューアルしました。デジタルな話題を今後も提供して参りますので、箸休めみたいな感じでご愛読いただければと思っております。<Y.K> 皆さんは怪談といえばどのような物語を思い浮かべるでしょうか?誰も(そこそこ年配の方)が思い浮かべるのは『東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)』『番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)』『牡丹灯籠(ぼたんとうろう)』ではないでしょうか。 お岩さん、お菊さん、お露さんが悲劇のヒロインを演(怨)じている訳ですが、今号ではこの3作品について少し触れてみたいと思います。 舞台は、その名のとおり江戸四谷(現:東京都新宿区) 歌舞伎狂言。鶴屋南北(四世)作。牢人・民谷伊右衛門(たみやいえもん)に殺されたお岩が亡霊となって復讐する物語です。 昔々、お岩(フルネーム:田宮お岩)という女性が伊右衛門という男性と結婚して四谷に住んでいました。ある日、お金持ちの娘が伊右衛門に恋(横恋慕)をしてしまいお金で伊右衛門の心を手に入れていまいました。伊右衛門は使用人に「お岩の食事に毎日少しずつこの薬を入れなさい。」と命じました。お岩は日に日に弱っていき、髪も抜け落ち顔の半分が崩れてきました。 その後、お岩は周囲の者たちにむごい仕打ちを受けて他界し、その祟りで数々の怪異が起こり関係者はすべて死に絶えるといったお話です。 こちらの舞台は諸説あり、播磨姫路(兵庫県姫路市)説・江戸番町 (東京都千代田区)説・加賀金沢(石川県金沢市)説・筑前碓井(福岡県碓井町)説などなど多岐にわたります。が、播磨姫路と番町が元祖と本家といったところではないでしょうか。姫路城内には「お菊井戸」と呼ばれる井戸も存在するそうです。 物語は、青山播磨は皿を割った(無くした)女中のお菊を手打ちにし、井戸に投げ棄てる。それ以後、井戸の中からお菊の皿を数える声が聞こえてくる…。実話を元に岡本綺堂が戯曲化し、有名になったお話です。 夜な夜な枕元に聞こえる不気味な声。「いちま~い、にま~い…」有名な「番町皿屋敷」の一説です。その女主人公お菊さん(フルネーム:向坂お菊)。江戸番町(現在の東京都千代田区一番町から六番町)の青山家に奉公に行っていましたが、1740年2月に、家宝の皿(10枚組の1枚)を割った、という濡れ衣(許婚に操をたたて青山播磨の怒りをかう)をきせられ、殺されてしまいます。その後、お菊さんの幽霊が恨みを晴らそうと、毎夜毎夜青山家に現われます。怪談だけではなく落語ネタとしても有名ですね。最後のオチは、風邪気味で明日休むので2日分(18枚)数えとこ。 舞台は江戸時代、上野。 新三郎は、お露という娘と恋仲でした。でも、家柄の違いで会うことが叶わなかった…。やがてお露は重い病気になり、新三郎に会いたいと願いながらついに死んでしまいます。そして、お露の乳母のお米も後を追うように死んでしまいます。ところがその年の8月13日、カラ~ンコロ~ン(鬼太郎じゃありません)と下駄を鳴らしながら、新三郎の屋敷にお露とお米がやってきました。お露が死んだことを知らない新三郎は、喜びのうちにお露を迎え入れましたが、これを見ていた隣の男が「あれは幽霊だ」と忠告しました。そこでお露が死んだことを知った新三郎は怖くなり、寺の和尚からお札をもらい家中にお札を貼り、家に籠もることにしました。しかし、隣の男の裏切りによりお札を剥がされ、哀れ新三郎はお露の幽霊に取り殺されてしまったのでした。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です