デジタルまいど No.1~N0.48
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digitalまいど創刊号発行日:1997年(平成9年)9月1日(月曜日)発行/〒550-0013 大阪市西区新町1-16-1 TEL/06-534-8100(代)FAX/06-534-8108 E-mail:ksiinfo@ingnet.or.jp http://www1.ingnet.or.jp/ksi/(編集協力/株式会社アクティー)digitalまいど編 集 室「SOHO(ソーホー)」と聞いて、「ああマンハッタンの、アーティストのロフトがある地域のことね」というのは80年代から抜け出ていない人のセリフ。90年代の「SOHO」とは「Small Oce/ Home Oce」の頭文字をとった、文字通り少人数のオフィスのことだ。●SOHOって?この言葉が言われ始めたのは、米国のメディアが93年末に相次いで「SOHO」という言葉を使ってからである。それから4年。コンピュータやモデム、携帯電話、FAXなどの低価格化と高性能化、急速なインターネットの普及や通信料金の値下げ競争によって、米国ではさらにSOHO化の流れが加速しているという。民間調査機関の調べによれば、現在米国では4200万人以上もの人々が何らかの形で家庭のオフィスで仕事をしている(勤務という形をとっている企業従業員がおよそ800万人、自宅で自営業を営む人が2470万人、会社終業後に何らかの副業を持って働く者930万人)。また、これらの数字はこれからも飛躍的に大きくなると言われている。●サテライトオフィスとの違いは日本でもかつてオフィスのスタイルを変えようという動きが見られた時期があった。「サテライトオフィス」「リモートオフィス」という構想だ。都心のオフィス家賃の高騰に耐えかねた企業が都心を離れた場所にオフィスを設け、通信回線で本社とリンクする。一方、社員は職住接近で通勤地獄から解放されるという一石二鳥の目論見だった。しかし「常に顔を合わせないと仕事にならない」という日本のスタイルがこうした環境になじまず、芳しい結果を上げられなかったようだ。一方、米国の企業はテレコミューティングやワーキング・フロム・ホームという方向に動いた。レイオフなどの経営の合理化が一段落した後、米国の大企業は従業員にホームオフィスで働くことを奨め始めたのである。こうした背景には、90年の空気浄化法による単身自動車通勤の規制や社有駐車施設制限への対応、ワークフォースを確保しながら大規模なオフィス設備のオーバーヘッドを減らしたいという企業の考えがあったようだ。◆ちょっと気になるあの言葉◆●モバイルコンピューティングとの違いは最近注目されているキーワードの1つに、携帯端末と呼ばれているラップトップコンピュータやPDAを使う「モバイルコンピューティング」というものがある。ワーキングスタイルという視点からとらえると移動オフィスということになるかもしれない。だが、これはSOHOというよりも現場のセールス担当と本社機能の連結を強化するという側面の考えた強い。これに対してSOHOは、小さなオフィスや家庭の中に、高い知的生産性を求められる作業やクリエイティブワーク、あるいは事務処理を行うオフィスとしての「場」をきちんと効率のよい作業ができる場所に作り上げてしまうものだ。●新しいビジネススタイルとしてのSOHOこのようにSOHOというのは「特定した業務を行うグループ」と例える事が可能で、このことは個人が自宅で業務をするということだけではなく、特化したグループがコンピュータというツールを用いてネットワークを形成し作業することである。メーカーが商品の説明書を自社内でDTP制作している場合、小ロット必要時には自社内でプリント、大量必要時は印刷会社にデジタルデータで入稿というのは一例に過ぎない。SOHOを考えた場合、インターネットを利用しての一般への自社の情報公開、グループ内でのFTPサーバーによる情報の共有や電子メールによる情報交換などのネットワークを確立させ、最大限の効果を上げる事が求められる。SOHOを成功させる最大の鍵を握っているのは、それらを有効に組み合わせるアイディアではないだろうか。SOHO【ソーホー】<名>Small Oce & Home Oceの略(1)自宅と会社をコンピュータネットワークで結ぶことで、出社しなくても会社と同じ環境を自宅に実現すること。(2)コンピュータネットワークを使うことで、小さな規模の会社でも他の会社と連携をとりながらビジネスをすること。(3)より積極的に会社というスペースから独立することで、効率のよい仕事をする環境の事。新しい仕事のキーワードはSOHOだ!PUSHON!ON!このコーナーは、少し創意工夫する事でより効率的に仕事の進行ができる事例を、ケーススタディを用いて紹介します。●インターネットとドキュテックである日、営業のNさんに日ごろから取引のある、大阪のソフト開発会社のAさんから電話がかかってきました。「今度、東京でビジネスショウがあるのだけれども、今開発中の計算ソフトを出品することになったんです。それで計算ソフトのトピックスを集めた20ページぐらいの冊子が100部、来週の木曜日に必要になったんだけど。」という電話。営業のNさんは「Aさん、またいつものように社内でDTPソフトを利用して冊子のデータを作られますよね、そのDTPソフトで作ったデータを私に戴ければ、うちの会社に’ドキュテック’という出力機がありますので、それを使えば20ページぐらいの冊子を100部なら、まる1日あれば出力から製本まで出来ます。データを来週火曜日の夕方に戴きに伺いたいのですが?」「わかりました。ただ今開発中のソフトなのでギリギリまで仕様変更がまだありそうなので、火曜日の夕方にはちょっと難しいですね。」「ただ水曜日の昼には’ドキュテック’で出力しないと間に合わないですよ。」「では、Nさんの会社は’インターネット’を利用することが可能ですか?可能なら火曜日中にデータを’インターネット’で送っておきますよ。」「Aさん、私の会社でも’インターネット’はOKです。それでは、火曜日中にデータを送って下さい。アドレスは”○○○@○○○.○○.○○”です。また、それまでに一度サイズなどの打ち合わせにAさんの会社に伺いますので。」「それではよろしく。」というように会話は終了。そして納期は守られ、Aさんの会社は無事ビジネスショウに計算ソフトを出品出来たのです。このケースは「デジタルデータによる入稿」と「インターネットでデータを送信する」、「デジタルデータを出力可能な印刷機」という三つの要素を組み合わせているだけです。皆さまもこれをお読みになられて興味をもたれたら、弊社にご連絡ください。

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