デジタルまいど No.80
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デジタルまいどNo.80発行日:2016年11月25日digitalまいど編集室発行者:大阪市西成区南津守7-15-16TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894http://www.ksinet.co.jp/下記ホームページにてデジタルブックでもご覧いただけます900,000800,000700,000600,000500,000400,000300,000200,000100,0000(億円)86兆9,620億円2030年2020年2015年建設・土木59,229金融・保険47,318製造121,75223兆638億円3兆7,450億円製造29,658卸売・小売46,844運輸46,075卸売・小売151,733運輸304,897■人工知能とは何か?人工知能とは、人間の知能をコンピュータなどで再現しようとする技術のことを言います。それは結果的に、人間が知能を使ってすることをコンピュータにさせようとすることであります。ただ、入力された情報に対して答えを返すだけでは人工知能とは呼べず、その中に「推論」や「学習」など、知的で発展的な作業をこなせなければいけません。「推論」とは「知識を基に、新しい結論を得ること」で、「学習」とは「情報から将来使えそうな知識を見つけること」です。■強いAIと弱いAI強い弱いと言っても、お互いが殴り合って対決するわけではありません。「強いAI」は意識や自我を持ち、1人でなんでもできる「ドラえもん」のようなAIを指します。一般的に皆さんがAIと聞いて思い浮かべるのは、この強いAIのことでしょう。この強いAIの研究で産まれた技術が弱いAIに応用されたりしています。そしてその「弱いAI」とは、意識や自我を持たず、何かに特化した専用のAIを指します。それはあらかじめルールを用意しておき、インプットされた情報をルールに基づいて整理し、的確なアウトプットをするだけのモノです。現在研究が進んでいるのはこの弱いAIであり、その技術は既に人間の知能を超えるモノも数多く存在しています。例えば先述した囲碁を打つAIの「AlphaGo」は、この弱いAIに当てはまります。「AlphaGo」は過去の棋譜を「学習」し、次の一手を「推論」することで成長していくAIですが、だからと言って急に歌を歌い出したり、ミサイルを打ち始めたりはしません。それは囲碁のルール内でのみ活動できる専用のAIであり、意識や自我を持たない弱いAIだからです。弱いAIは既に私たちの生活に普及されており、例えばGoogleやYahoo!検索エンジンは弱いAIの代表格とも言えます。検索キーワードに完全一致したモノだけを表示させるのではなく、似た文字列や、よく一緒に検索されている単語、また過去の履歴から「学習」した、入力者が求めているであろう結果を「推論」して上位に表示させるなどの判断が行われています。■AIの活用可能性EY総合研究所が2015年9月に公表した「人工知能が経営にもたらす『創造』と『破壊』」と題したレポートによると、人工知能を活用した関連産業における国内市場規模の推計金額は、2015年では3兆7450億円、2020年で23兆638億円、2030年には86兆9620億円にまで拡大すると推測されています。今後、技術の成熟、安全性の向上、コストの現象などにより、特に運輸分野における自動運転の実用化、製造分野における情報化、知能化、生活関連分野への導入などさまざまな産業分野での市場形成が進むと、同研究所は予測しています。当レポートでは、2015年では1%にも満たない運輸分野(黄色のグラフ)が、2030年には他分野に圧倒的な差をつけ、30兆円もの市場規模になると予測しています。いくら研究が進んでいるとはいえ、まだまだ多くの人にとって未知の領域であるAI。社会に受け入れられるかどうかの問題もありますし、十分な実証に基づいて安全面を確保したうえで、法令、規制面でも後押しが必要です。いつかAIに支配される日が来るのではないかと恐れる声もありますが、私たち人間もAIに対するしっかりとした知識を持って、活用、共存していければいいと思います。(元稲)近年、「Articial intelligence」。略して「AI(エー・アイ)」、日本語では「人工知能」と呼ばれる技術が目覚ましい進歩を遂げています。記憶に新しいモノを挙げれば、プロの囲碁棋士を破った「AlphaGo(アルファ碁)」や、iPhoneに搭載されている音声アプリ「Siri」、ソフトバンクショップの店頭に立っているロボット「Pepper」など、ニュースになるようなモノから身近なモノまで、AIは私たちの生活に密接にかかわっています。しかし、そもそもAIとは何なのでしょうか?何ができたらAIと呼べるのでしょうか?自動販売機はAIでしょうか?人工知能関連産業の市場規模– 1 –

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