デジタルまいど 77号

3/4

儚い蓑虫（みのむし）はかなお彼岸（ひがん）歴　史806年（大同元年）、日本で初めて彼岸会が行われ、崇道天皇のために諸国の国分寺の僧に命じて、「七日、金剛般若経（こんごうはんにゃきょう）を読まわしむ」と『日本後紀』に記述されており、その後、いつの間にか生を終えた祖先を供養する行事として定着したそうです。語　源サンスクリット語のpa¯ram（パーラム）の意訳と、仏教用語としての「波羅蜜」（Pa¯ramita¯ パーラミター）の意訳「至彼岸」が由来としてあり、Pa¯ramita¯を「pa¯ram（彼岸に）+ita（到った）」、「彼岸」という場所に至ることと解釈されているそうです。墓参りなぜ墓参りをするかと言うと、春分・秋分は昼と夜の時間がほぼ同じことに由来しているとのこと。仏教では、生死の海を渡って到達する悟りの世界を「彼岸」、その反対側の自分たちがいる迷いや煩悩に満ちた世界を「此岸（しがん）」といい、彼岸を西、此岸を東とし、太陽が真東から昇り真西に沈む春分と秋分はもっとも通じやすくなると考え、先祖を供養するようになったそうです。お墓参りのやり方お墓はいつお参りしてもよいのですが、一般的にはお盆やお彼岸、命日、年の暮れやお正月、法要の時などに行います。墓地に着いたら、まず手を清めます。それから手桶に水をくみ、お墓の前で合掌礼拝してから掃除をします。掃除が終わったら、花立てに水を入れお花を飾り、半紙の上に菓子や果物などのお供えします。ローソクに火を灯し、そこから線香に火を付けましょう。柄彼岸とは彼岸（ひがん）は雑節の一つで、春分・秋分を中日（ちゅうにち）とし、その前後の3日を合わせた各7日間、1年で計14日間のことを言います。この期間に行う仏事のことを「彼岸会（ひがんえ）」といい、最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」（地方によっては「はしりくち」）と呼ぶそうです。杓（ひしゃく）で水鉢にきれいな水を入れ、お墓にお水をかけます。墓石より体を低くして合掌し、冥福を祈ります。お参りがすめば、線香やローソクは燃やしきるか、火を手であおいで消し、お供えの食べ物はその場でいただくか、必ず持ち帰りましょう。彼岸は日本だけ仏教国は他の国にもありますが、同じ仏教国の日本にしか彼岸はないそうです。いくつか説がありますが、太陽の神様を信仰する神道と仏教が結びついて出来たという説が面白そうですね。牡丹餅（ぼたもち）とお萩（はぎ）お彼岸の供え物として、牡丹餅やお萩を供えますが、実は同じ物でこれらの名は、彼岸のころに咲く牡丹（春）と萩（秋）に由来しているとのことです。四季を大切にする日本ならではの言い回しですね。お盆とお彼岸の違いお盆は、本来旧暦の7月15日（新暦では8月23日）を中心に行われるもので、これを「旧盆」と言いますが、現在では新暦の8月13日から16日の4日間で行われるのが一般的で、これを「月遅れの盆」「8月盆」などと言います。お盆もお彼岸もどちらも先祖供養をする日なのですが、お盆は先祖が自ら私たちの所までやってきてくれるのをお迎えし、供養し、そして再び送り出すのに対して、お彼岸は一年の中でこの世とあの世が最も近くなる日とされていることから、私たちが先祖の元に出向いて供養する、という違いがあります。お彼岸は仏の教えで身を極め、彼岸に近づく儀式で、先祖供養より修行の意味合いが強いです。（西野）って、そもそも何そうミノムシですね。そのミノムシはオオミノガと呼ばれる蛾（が）の幼虫のことを言っているわけなのですが、実は、成虫になって蛾のような形になるのは雄だけらしいのです。蛾の形になった雄は口がなく、雌と交尾してすぐに死んでしまいます。そう聞くと雄は可哀想で、雌の方がいいかと思われますが、雌は卵が孵化したらミノの下の穴から出て地上に落下して死んでしまうそうです。ミノムシの命は儚いようです。次へのバトンと託された卵は孵化すると、ミノの下から糸を垂らして外に出て、風に乗って遠くまで飛びます。運よく葉や小枝などに到着したミノムシは、周りの材料で小さいミノを作り、そこから生活を始めるのです。そう言えば、最近、ミノムシを見かけないとは思いませんか？衝撃的事実なのですが、現在、ミノムシは外来種である寄生蝿「オオミノガヤドリバエ」によって絶滅危惧種に選定されるようになってきているのです。特に西日本ではミノムシの個体数減少が激しく、ほとんど見られなくなってしまった地域が多いようです。あの子供の頃に慣れ親しんだミノムシがいつの間にか絶滅の危機を迎えているなんて、なんだか悲しいですよね。（村田）昔、よく木にぶら下がって、木や葉っぱでできたミノを纏ってゆらゆら揺れていたあの昆虫を覚えてますか？– 3 –

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です