デジタルまいど 76号
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メーカー?色?コードの長さ?それらももちろん重要ですが、イヤホンの箱などに記載されているスペックにも目を向けてください。全部少しずつ数値が違ったりしますよね?でもそれらの数値はいったい何を表しているんでしょうか?みなさんイヤホンを選ぶとき、 どんなことに注目して選びますか?■周波数帯域周波数帯域とは、再生可能な周波数の帯域のことです。この値は、何Hzから何Hzまでの音を再生できるかという範囲を示しています。「じゃあ範囲が広い方がより広がりのある音楽が聴けるのか!」と思ってしまいますが、人間の可聴周波数帯域は広い人で約20Hz~20kHzと言われており、だいたいのイヤホンがこの範囲以上のスペックを持っています。ですから、この数値はあまり気にする必要はありません。2つのイヤホンを比較する時、「範囲の広いイヤホンの方が優秀なイヤホンなんだな」ぐらいの認識で良いと思います。■音圧感度感度とは、1mWの電力を与えたとき、1Khzの音がどれくらいの音圧で得られるかの値のことです。この値が大きいほど小さな力で音量が大きくなります。単位はdB(デシベル)です。■インピーダンスインピーダンスの単位はΩ(オーム)。つまり抵抗のことです。同じ電圧をかけた時、インピーダンスが高いほど流れる電流が少なくなります。つまりインピーダンスの高いイヤホンで音楽を再生する場合、大きな音量でイヤホンに音楽を流し込まないと音が聴き取りにくい、ということになります。じゃあインピーダンスが低い方が良いのかと言うとそういうわけではなく、低ければ低いほど音は流れやすくなりますが、ノイズ(雑音)なども一緒に流してしまうことになります。つまり、インピーダンスの高いイヤホンはノイズに強いということになります。簡単でしたが、3つのスペックをご紹介しました。私の結論としては「長々と説明したけれど、どれを選んでもそんなに変わらない」です。よほど安い物でない限り、色や形で選んでも問題ないと思います。(元稲)人工クモの糸!?クモの糸は鋼鉄よりも強度があり、ナイロンより柔軟なことから「夢の繊維」と呼ばれていたそうですが、クモは縄張り争いや共食いが激しく、蚕のように人工飼育できないため、工業化は困難とされてきました。しかし、Spiber(スパイバー)という会社は、微生物にクモの糸を出す為の遺伝子を合成し、タンパク質の材料となる糖を加えることで、クモの糸と全く同じ構造の新素材を作らせることに成功したというのです。この夢の繊維は、日本語の発音から「QMONOS(クモノス)」と名付けられました。クモの糸の強度は、束ねて鉛筆ほどの太さにすると、飛行中の飛行機も止められると予測されているそうです。何と、こんなに凄い繊維でできたアウトドアジャケットが来年発売予定とのこと。これは、人工的に作られたモノが織物として加工できるレベルにまでなったという重要な意味があります。これにより、今後は自動車・航空機部品、人工血管といった多様な分野での応用が期待されています。枯渇資源に依存しない次世代のタンパク質素材を人類が使いこなすためのインフラが稼働し始めたわけです。これは、青色LEDの次に来るノーベル賞候補とも言われるほど、実はすばらしいイノベーションなのです。(村田)◎強度は鋼鉄の4倍◎伸縮性はナイロンを上回る◎耐熱性は300度を超える◎成分はタンパク質、微生物が分解してくれる ため自然に優しい手首のウェブシューターからクモの糸を出しビルからビルへ飛び移ったり、クモの糸で周囲の建物を掴んで体ごと暴走する電車を受け止める「スパイダーマン」。お釈迦様が地獄の底に垂らしたクモの糸を登ってくる亡者・・・。そんなにファンタジックな話ではなく、日本の山形県のベンチャー企業「Spiber(スパイバー)」は、クモの糸を人工的に生産することに成功したというのです。「QMONOS(クモノス)」の本当に凄いところ– 3 –

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