デジタルまいど 76号
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CrowdFunding「クラウドファンディング(CrowdFunding)」とは、「群衆(crowd)」と、「資金調達(funding)」を組み合わせた造語で、ある目的のために不特定多数から資金を集める行為、またはそれをインターネット上で行えるネットサービスの総称です。クリエイターや起業家は、製品や事業の開発、またアイデアの実現に向けたプロジェクトをインターネットを通じてアピールすることで、それに賛同した人から資金を集め、その額が一定に達したところでそのプロジェクトをスタートさせることができます。また、発展途上の国への国際支援や災害、防災等の支援金もクラウドファンディングで集められています。個々の人から提供される資金は少額でも、大勢の賛同者から資金提供を受けることができれば、十分プロジェクトをスタートさせることができるのです。銀行や投資会社などに頼らない、人々による資金調達は様々な方面から注目されています。プロジェクト起案者が必要な目標金額、そのプロジェクトがどういったものか、どう進めるか、実現するとどういったことがあるのか等をインターネット上のクラウドファンディングサービスに掲載します。そして多くの人から賛同を得て目標額を集めることができれば、そのプロジェクトをスタートさせます。その際、プロジェクト起案者は集まった金額の10%~20%を手数料として、クラウドファンディングサービスの運営者に支払います。このようにして、資金がない起業家や団体、知名度のないクリエイターでも、大勢の人に対して資金提供を呼びかけてプロジェクトを実現することができるのです。クラウドファンディングのために、インターネット上で運営されているプラットホーム(基盤)を、「クラウドファンディングサービス」とい います。アメリカでは2009年にサービスを開始したKickstarter(https://www.kickstarter.com/)、日本では2011年4月に始まったREADYFOR(レディーフォー、https://readyfor.jp/)や、今では最大級となったCAMPFIRE(キャンプファイアー、http://camp-re.jp/)などが有名です。またモノづくりに特化したzenmono(ゼンモノ、http://zenmono.jp/)、スポーツ分野に特化したスポーツファンディングのMakuake(マクアケ、https://www.makuake.com/)などもあります。クラウドファンディングは、資金提供者に対するリターン(見返り)の形によって大別されます。金銭リターンがある「投資型」、プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」等があります。日本では金融商品取引法の規制などの関係上、「購入型」が最も普及しているようです。購入型のリターンとしては、イベント系のプロジェクトではチケットやノベルティ、製品開発型では製品提供や値引き購入権利、災害などの支援プロジェクトでは支援者の紹介やレポート送付、支援先の特産品の提供等があります。リターンがなくとも、資金提供者からすれば、欲しいと思う製品や育てたくなるサービス、また災害や地域支援のために、インターネットから気軽に少額の寄付や出資できる点がクラウドファンディングの良いところです。新しい資金調達として注目されているクラウドファンディングですが、投資型の場合、プロジェクトが途中でとん挫したりすると、投資したお金はすべて水の泡になってしまいます。また、起案者が元々プロジェクトを成功させるつもりがなく資金を集めて逃げてしまう場合も少なからずあるようです。起案者にとっても、クラウドファンディングは大切な知的財産を公開することになるので、独創的で良いアイデアである程、他でマネされてしまうリスクもあります。クラウドファンディングは、17世紀において書籍の印刷代を募るために、寄付を募ったことから始まるそうです。現在は、インターネットのおかげで、資産家や起業家でなくても気軽に参加できるようになってきました。自分の欲しいモノ、サービス、支援したいものなどがあれば、ぜひクラウドファンディングを利用してみてください。(村田)「クラウドファンディング」とは検 索資金提供者からみたクラウドファンディング検 索クラウドファンディングのしくみ検 索クラウドファンディングサービス検 索クラウドファンディングのデメリット検 索クラウドファンディングクラウドファンディング– 2 –

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