デジタルまいど 73号
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2014年ユーキャン新語流行語大賞には、この言葉が選ばれました。皆様覚えてらっしゃいますでしょうか?世界のあちこちで似たような賞は開かれているそうで、イギリスでは電子タバコを意味する「Vape(ベープ)」。アメリカでは「エボラ出血熱」など、国によって様々な言葉がノミネートしています。米国に、ANA(Association of National Advertisers)と言う名の、クライアントサイドのマーケターが組織している広告業界の団体があります。(http://www.ana.net/) その団体で「2014 Marketing Word of the Year」を決める会が年末に行われ、栄えある1位には「Programmatic(プログラマティック)」が選ばれました。この「Programmatic」とは、どんな意味の言葉なのでしょうか?「Programmatic」とは「プログラムに従った~」と言った意味の英単語です。もちろんこの単語が評価されて1位になったわけではなく、主に「Programmatic buying(プログラマティック・バイイング)」と言う言葉が注目され、その影響を受けて「Programmatic」が1位になったと言う事です。簡単に言うと「リアルタイムで売買できる広告枠」の事です。米Rocket Fuel社は、以下のように定義しています。今までは、「どこに何を表示させるか」をきっちり決めた上で、広告枠の取引をしていました。その結果、10代でスポーツに興味のある若者に広告を見せたかったのに、結局60代で将棋に興味のある人しか見てくれなかった…なんて事がよくありました。しかしプログラマティック・バイイングなら、顧客の趣向に合わせ、その顧客に最も適した広告をリアルタイムに表示させる事ができるのです。例えばWebサイトの広告で、プログラマティック・バイイングの流れを考えてみます。まず広告会社は、とあるWebサイトの特定の場所に、広告枠を作成します。次に、その広告枠に対して広告主から入札を募ります。そして第三者がそのWebサイトを訪問した際、その訪問者のインターネットの閲覧履歴やキー入力などの操作記録などからその訪問者の趣味趣向を探り、それに合った広告を複数の入札者の中からピックアップします。もし同じジャンルの入札が複数存在していた場合は、その中でもっとも高額だった広告を表示させます。そうして広告会社と広告主の、広告表示1回分の取引が行われます。これが簡単なプログラマティック・バイイングの流れです。このような仕組みにより、広告主は興味の無い人に無駄に広告を見せる事もなく、無駄な広告費を削ることができ、広告会社も多種多様な広告を募る事ができ、より高い広告収入を得ることができるので、お互いにとって非常に効率の良い取引ができるのです。今まではWebサイトの訪問者がどういった人物か、どういった趣向を持っているのかを計り知る手段がなかったので、こういった広告表示方法はできなかったわけですが、インターネット技術の発達により可能になった、新しいマッチング形式の広告と言えるでしょう。訪問したサイトに自分がどんな人物なのかバレてしまうと考えると少し怖い気もしますが、自分に興味のある広告をピンポイントで表示してくれるというのは、それを補って余りある魅力ではないでしょうか?何気なく訪れたWebサイトに、前から欲しかった商品とその横に「購入」ボタン……私なら思わず押してしまいそうです。(元稲)「プログラマティック」って?~今流行のマーケティングのキーワード~そもそも「Programmatic」とは検 索「プログラマティック・バイイング」とは検 索「ダメよ〜ダメダメ」1.広告枠の取引がオークション方式であること2.広告枠の取引がリアルタイムであること3.ある顧客に向けて、ある特定の状況下で、 ある特定の広告を見せるといったニーズに応えることA90円入稿B100円入稿入稿広告を下さいBが一番高いな・・・広告を下さいBの広告が表示C60円SSPSupply Side PlatformDSPDemand Side Platform広告主広告枠提供者RTBReal Time BiddingデジタルまいどNo.73発行日:2015年1月20日digitalまいど編集室発行者:大阪市西成区南津守7-15-16TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894http://www.ksinet.co.jp/下記ホームページにてデジタルブックでもご覧いただけます– 1 –

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