デジタルまいど 71号
1/4

仕事も勉強も娯楽もすべてパソコンでできるようになった昨今、パソコンを繋ぐインターネットは、もの凄い速度で普及しています。そしてそのインターネットに繋がる「モノ」は、もはやパソコンだけに留まらず、携帯電話、テレビはもちろんのこと、デジタルカメラやエアコン、冷蔵庫など、様々な製品に広がっています。現在でも既に30~50億個近い数の「モノ」がインターネットに繋がっているとされていますが、2020年までに300~800億個とも言われており、世界市場規模では900兆円という予測も出ています。このように、世の中に存在するあらゆる「モノ」が有線、無線通信を使ってインターネットに接続し、情報交換しあい相互に制御する仕組み、概念のことを「モノのインターネット(Internet of Things)」、略して「IoT」と言います。これはRFIDの専門家で、マサチューセッツ工科大学のイギリス人のケビン・アシュトン氏が1999年に提唱した造語とされています。これらの技術を便利、親切、近代的で素晴らしいと思うでしょうか。あるいは押しつけがましい、おせっかい、監視されているようで怖いと思うでしょうか。しかし「モノ」たちにインターネットが広まりつつあるのは事実で、「IoT」の活用は気づかないところで着実に進められているのです。(元稲、高橋)「モノのインターネット」?!インターネットに繋がる家電製品の事を「デジタル家電」や「スマート家電」などと言われますが、まだそれらが生活に根付いている印象はありません。例えばエアコンなら、スマホからインターネットを通して、家の外からでも電源をON/OFFできる機能。テレビなら、家の外からインターネットを通して録画予約できたり、外出先から閲覧できたり…など、既にいくつかの家電製品には、インターネットとの連携機能が搭載されています。ただどれも1対1のモノがインターネットを利用しているだけです。今はまだ、このように「モノ」たちが少しずつインターネットに繋がり始めたばかりです。では、今後世の中の様々な「モノ」たちが様々な通信手段でインターネットに繋がり、「モノ」のセンサー技術が進化し、「モノ」によって大量に集められたデータが瞬時に分析され、それらがすべて連携するとどうなるのでしょう..。「モノ」にセンサーをつけ、インターネットを通じて通信することで、データが収集でき、それらを解析することによって、ビジネスを洞察することができます。まさに「情報は力なり」です。「IoT」により、企業は「モノ」のより正確な追跡とモニターを可能にし、消費者のデータとニーズを収集し、より良い、スマートなカスタマーサービスを提供でき、コスト削減やより効率の良い事業展開を可能にできる糧を得られるようになるのです。有線、Wi-FiやLTEなどの無線ネットワークRFID、GPSなどのセンサー技術ビッグデーターを集約し分析する技術タンスの中にどんな服があるかをタンス自身が、パソコンやスマホでは普段どんな服がチェックされているかを、さらに気象データまでもが集約され、インターネットを通して服屋に伝えられます。服屋はそれらの情報から、その人が服を買いに来たとき、好みや季節にバッチリ合った服をすぐに提示してくれるでしょう。冷蔵庫がその中に今どんな食材があるか、テレビやパソコンではどんな番組やWebサイトを見ているか、今何の食材がおすすめなのかが、ネットを通して分析され、食品店に伝えられます。そして、奥様が食品を買いに来た時には、必要で希望に添った旬な食材をきっと全て揃えて待ってくれている事でしょう。自動車に乗れば、渋滞を避け目的地まで案内したり、沿線の観光案内やおすすめのレストランの予約をしてくれるだけでなく、目的地の駐車場が場所を予約して空けてくれていたり、故障箇所があれば説明せずとも修理工場から部品を持って駆けつけてくれたり、果ては、走行状況を分析して適切な自動車保険を勧めてくれたりするでしょう。「モノのインターネット」の現状「モノ」たちにインターネットが広がるとどうなるの?ビジネスにおける「モノのインターネット」の意義「モノのインターネット」の未来デジタルまいどNo.71発行日:2014年7月22日digitalまいど編集室発行者:大阪市西成区南津守7-15-16TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894http://www.ksinet.co.jp/下記ホームページにてデジタルブックでもご覧いただけます– 1 –

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です