でじたるまいど 59号
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– 1 –digitalまいど編集室〒557-0063 大阪市西成区南津守7-15-16TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894バックナンバーはホームページでデジタルブックにてご覧になれます。印刷物をご希望の方は編集室までご連絡下さい。http://www.ksinet.co.jp/発行者:デジタルまいどNo.592011年10月20日発行ここ数年でiPhoneをはじめとしたスマートフォンが普及し、それに伴い、「AR(エー・アール)」という言葉をよく聴くようになりました。「AR」とは「Augmented Reality(オーギュメンテッド・リアリティ)」の略。日本語で言うと「拡張現実」となります。拡張現実とはその名が示すとおり、現実に見えている風景に、コンピュータが情報を付け足し、自分が見えている情報を拡張してくれる技術の事を言います。最近にわかにこのARが注目されはじめ、意外なところにARの技術が用いられたりしています。現実世界にコンピュータの情報を付け足すために、目印となる「マーカー」と呼ばれるカード状のものを置く例が多く見られます。マーカーとは、正方形の黒枠の中に何らかのパターンの図形が描かれたものです。ゲームに・・・任天堂から発売されている「ニンテンドー3DS」にも、ARの機能が組み込まれています。ARカードと呼ばれるマーカーをニンテンドー3DSのカメラで映すと、カードから3Dの物体が現れます。そこにないはずの物が、あたかもあるように見えるその様は、まさしく拡張現実と言えるでしょう。このARを利用したゲームは色んな種類があり、表示されたマトを狙う射的のようなゲームや、表示されたキャラクターが動き回ったりするものまであります。ニンテンドー3DSだけではなく、iPhoneやAndroidと言ったスマートフォンでも、ARを利用したゲームがどんどん開発されています。カタログに・・・大型家具屋のIKEA(イケア)という店もARを活用し始めています。IKEAではARを利用して、自分の部屋にその家具があるかのように映し出すことができるサービスを始めました。実際には、まずカタログの商品に掲載しているマーカーを印刷し、部屋の好きな場所に置きます。そして、そのマーカーをiPhoneのカメラで覗くと・・・。なんとマーカーを置いた位置にその商品が現れました。これはソファーですね。もちろんこのソファーに座ることはできませんが、3Dで表示されるため、色々な角度から見ることができます。これを利用すれば、商品を買う前に、実際の大きさや置いてみた周りの雰囲気なども分かるので、失敗のない買い物ができそうですね。カーナビに・・・最新のAR技術は、なにもマーカーの上に物体を表示させるだけではありません。Pioneer(パイオニア)の最新カーナビでは、専用の車載カメラでフロントガラス越しの実写映像を撮影してリアルタイムで解析し、先行車両との車間距離を計測したり、信号の変化や道路状況を重ねて、ナビを表示できます。目の前の実写映像にCGで情報が合成される様は、まさにSF映画そのものです。AR技術の例をいくつか紹介しましたが、ARの世界が少しは分かっていただけたでしょうか?もちろん今回紹介したもの以外にも、広告から医療、軍事技術まで、色んな分野でAR技術は利用され始めています。SF映画の中だけだと思っていた近未来も、すぐそこまで来ているのかもしれませんね。 (文・元稲)ARって?

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