でじたるまいど 55号
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– 1 –digitalまいど編集室〒557-0063 大阪市西成区南津守7-15-16TEL:06-6652-8000(代) FAX:06-6652-8894バックナンバーはホームページでPDFファイルにてご覧になれます。印刷物をご希望の方は編集室までご連絡下さい。http://www.ksinet.co.jp/発行者:デジタルまいどNo.552010年10月20日発行 3D映像の仕組み どうして物を立体的に感じるかですが、実は人間の目は物を見るときに左と右とで少しずつ異なる映像を見ているのです。この差を「視差」と呼びます。この視差を脳内で一つに融合させる際に、脳は空間の奥行きや立体感を感じます。この視差を意図的に与えて脳に立体感を感じさせることが3D技術の基本となります。 「アナグリフ方式」 赤青メガネをかけることで、右目に右目用の画像を、左目に左目用の画像を見せることで立体視できるようにする方法です。パソコンで簡単にアナグリフ方式の画像を作成するツールがあったり、手軽に作成することができます。 「時分割方式」 右目・左目用の映像を交互に表示して、立体視させる方式です。ディスプレイに画像切り替えとシャッター機能が内臓され、それを偏光メガネで見る方法と、ディスプレイが左右の映像を交互に切り替え表示したものを、アクティブシャッターメガネで左右のシャッターを切り替えて見る方法とがあります。偏光フィルタ式、液晶シャッタ式、分光フィルタ式があり、これらを使った技術には、「REAL D」「DOLBY 3D」「XPAN D」「IMAX デジタル3D」と呼び、現在の映画やテレビなどに採用されています。 「空間分割方式」 表示パネルの表面に、パターン位相差板というものを配置し、右目には奇数列の映像光だけ見え、左目には偶数列の映像光だけが見えるようにする方式です。 3D技術の歴史 最近にわかに話題になっている3D技術ですが、実は欧米では古くからあったようです。1853年にドイツのロールマンが、右目用・左目用に別々の赤色・青色メガネで立体視できるアナグリフ方式を考案しました。そして、1910年代には、初めて米国で、この方式の3D映画が興行されました。さらに米国では、1950年代に3D映画のブームが起こり、1980年代には「ジョーズ3」「13日の金曜日パート3」等の映画も3Dで上映されました。従来の赤青メガネで見る方法では本来の色が正しく再現出来ない問題がありましたが 1990年代のデジタル化の技術により、これを解決しました。ディズニーは2008年に今後のアニメをすべて3Dにすると発表し、日本でも2009年に3D映画が上映されました。2009年は3D元年と呼ばれています。そして、今年に入って3Dテレビや3D対応映像ソフトが次々と供給され、2011年には3Dの携帯ゲーム機も発売される予定です。今までとはまるで違う臨場感と迫力が体感出来る3D映像ですが、まだ、色の再現度・立体感が不自然、専用のメガネが必要などの問題もあります。しかし、今後さらに3Dはより身近な技術になっていくと思われます。さらなる進歩に期待したいですね。いよいよ身近になってきた右目左目脳 内青色画像は見えない赤色画像は見えない赤青メガネ右目用画像左目用画像赤色に変換青色に変換立体に見えるディスプレイにシャッター機能内蔵偏光メガネ液晶シャッターメガネと同期液晶シャッターメガネ同期信号エミッタ右の映像だけ左の映像だけ偏光メガネ左目用映像右目用映像映像の技術は日々進歩しています。家庭用テレビにおいても、白黒からカラーになり、ブラウン管から薄型の液晶やプラズマに変わり、より高画質なハイビジョンテレビが出ました。そして、最近ではついに映像を立体視出来る3D技術を搭載したテレビも出始めました。この3D技術について、今回はちょっと説明してみたいと思います。

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